研究課題
研究目的2について,光合成過程の量子モデルをもとに,古典-量子ノイズ比を導入することで厳密な情報伝送効率の導出を行った.Fock空間を用いたモデルと,Ising系でのモデルを構成し,基本的な時間発展のシミュレーションを行い,量子相互エントロピーを用いて伝送効率の解析を行った.これらの研究により,増幅過程と開放系における量子計算過程を組み合わせ,誤り確率を減少させる量子アルゴリズムが構成され,この方法を新しい量子アルゴリズムのスキームの具体的な一例として提示することで,雑音のある系における量子計算機の基礎理論を示すことができた.研究目的3について,研究目的1で求められた増幅過程と開放系における量子計算過程を組み合わせ,誤り確率を減少させる量子アルゴリズムを構成した.これにより,新しい量子アルゴリズムのスキームが構成さた.具体的には,外界との相互作用パラメータが内部状態のエントロピー変化にどのような影響を与えるかについての数理的研究から,結果として,内部状態に対する量子的な位相ノイズが系の持つ情報伝送効率を向上させること,散逸ノイズより位相ノイズが大きい場合に著しく伝送効率を向上させること,2-qubit系においてGKSLマスター方程式を用いて,量子計算の成功確率を向上させる増幅過程が構成可能であることを具体的なパラメータを導出することで示した.さらに,確率増幅を行う量子チャネルを一般化し,Lindbrad super operatorについてのパラメータ条件を厳密に導出し.このパラメータに具体的な数値を与え,計算機シミュレーションを行うことで,実際に成功確率が増幅され得ることが明らかになった,
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Quantum Foundations, Probability and Information
巻: 1 ページ: 59-69
10.1007/978-3-319-74971-6_7