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2018 年度 実施状況報告書

縮小型事前分布によるベイズ推測と統計的決定理論

研究課題

研究課題/領域番号 16K00040
研究機関東京大学

研究代表者

丸山 祐造  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30304728)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードスタイン問題 / 許容性
研究実績の概要

多変量正規分布の平均ベクトルの推定において,特に一般化ベイズ推定量の許容性,ミニマクス性に関して,結果が得られた.そしてその論文のAnnals of Statisticsへの掲載が決まった.一連の結果の特別な場合は,次の通りである.「X~N_p(θ,σ^2I_p), S/σ^2~χ_2^n で損失関数 ||δ-θ||^2/σ^2 のもとでθの推定問題を考える.このとき,James-Stein 推定量の縮小係数を少しいじった [1-{(p-2)/(n+2)}/{||x||^2/s+(p-2)/(n+2)+1}]xが,ある広義事前分布のもとで一般化ベイズ推定量である.さらにこの推定量は,ある共変性を満たす推定量のクラス{1-ψ(||x||^2/s)}xの中で許容的であり,またミニマクスでもある.」
平均ベクトルの推定問題は,分散既知の設定では十分研究されてきた.例えば,Brown (1971,AOMS)がその代表例である.しかし,上で示した分散未知の設定(これは正規線形回帰モデルの正準形であり,平均ベクトルは回帰係数に対応する)では,対応する結果が得られていなかった.今回の許容性とミニマクス性の結果により,縮小推定量を使いたい場面で,理論的に良い性質を保持し,かつ非常に簡便な推定量を使えることになった点が評価できる.またこれらの結果が正規性の仮定を外した球面対称分布のもとでもある程度成立する点も興味深い.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

統計学の分野で読者が多いと考えられる一流誌の一つに論文の掲載を決めたから.
また,共同研究者と今後の研究の方向性について議論を深めることが出来たから.

今後の研究の推進方策

ある制限されたクラスの中での許容性を示すことが出来たので,制限を緩めるあるいは取っ払うために必要となる数学的手法を開拓する予定である.
2019年度も科研費から旅費を支出して,Rutgers大学Strawderman教授を訪問して共同研究を遂行する予定である.

次年度使用額が生じた理由

研究申請書に記した通り,受領額の多くを共同研究者の大学に滞在して議論し,執筆を進めるための出張旅費として使う.2018年度は私および先方の都合が合う日程が想定より短く,その分未使用分が発生した.今年度はスケジュールを十分調整して,共同研究先を訪問する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Admissible Bayes equivariant estimation of location vectors for spherically symmetric distributions with unknown scale2019

    • 著者名/発表者名
      Yuzo Maruyama and William E. Strawderman
    • 雑誌名

      Annals of Statistics

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Posterior consistency ofg-prior for variable selection with a growing number of parameters2018

    • 著者名/発表者名
      Min Wang and Yuzo Maruyama
    • 雑誌名

      Journal of Statistical Planning and Inference

      巻: 196 ページ: 19~29

    • DOI

      10.1016/j.jspi.2017.10.007

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2019-12-27  

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