研究課題
水産資源を持続的かつ有効に利用するためには,資源量および個体群動態を把握する必要がある.陸上の生物とは異なり直接観察することができず,推測およびモデルの不確実性が常に伴う.そこで本研究では,水産資源解析の高度化を目的とし,将来の資源管理でパフォーマンスを上げることを想定したハインドキャスティング(hindcasting,将来予測の能力を検証するためのクロスバリデーション)の視点からモデル選択法の提案と検証を行った.研究成果として主に次の3点を挙げる.(1)マグロ類の実データを用い.ハインドキャスティング法をベースにしたモデル診断方法の実用的検討を行った.そして現在,国際共同研究へと発展し論文の最終化中である.(2)シミュレーションによるハインドキャスティング手法の有効性の検証を行った.本研究についても一部は国際共同研究であり,成果の一部は2020年度の国際学会で報告予定であり,また論文の最終化を行っている.(3) 資源管理方策評価法におけるオペレーティングモデルのスクリーニング法についても,ハインドキャスティング法を用いた基礎確立について研究を行った.その一部は国際共同研究であり,2020年度に国際誌に掲載される予定である.また,この手法によるモデル診断結果を,北太平洋漁業条約のサンマ,インド洋マグロ類委員会のメバチマグロおよびキハダマグロ,大西洋マグロ類委員会のメバチマグロに適用し,それぞれの関連国際会議にて報告したが,ハインドキャスティング法を通した資源解析手法は,国際資源評価会議においても評価が高まってきていると言える.
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件)
Fish and Fisheries
巻: In press ページ: In press
Fisheries Research
巻: 216 ページ: 204-211
https://doi.org/10.1016/j.fishres.2019.04.007