本研究の目的は,ロバスト推定やスパース・モデリングなどの統計的学習の問題に対して,非凸損失関数の最適化という統一的観点から研究を推進することである.研究成果としては,実用的に優れた学習アルゴリズムの構成,さらにその数理的基盤の構築などがある.まず判別分析の代表的なアルゴリズムであるサポートベクトルマシンに対し,損失関数を非凸化した学習法の局所解の性質を数理的に解析し,局所最適解であっても外れ値に強く安定した予測精度を達成することが明らかになった.さらに,離散的なデータに対する統計的解析法を提案し,局所的な計算を用いることで,効率的に推定量を計算することができることを示した.
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