研究課題
個体差という異質性を考慮して、未観測共通原因がある場合で、かつ巡回の場合の因果探索のためのモデルを作った。これは、未観測共通原因を個別にモデリングするのではなく、その和をモデリングするというアイデアに基づいている。線形性を仮定すると、未観測共通原因の影響が、個体ごとのモデルの切片の違いとしてのみ現れてくる。この切片が、未観測共通原因の「和」の個体ごとの値に当たる。データの非ガウス性を利用して、未観測共通原因がある場合でも因果探索を行う研究では、非巡回性質の仮定をおいたモデルは開発済み(Shimizu & Bollen, 2014)であったが、この非巡回性の仮定を緩め、巡回性のあるモデルへと拡張を行った。非巡回性も仮定する場合は、モデル選択をするステップをアルゴリズムに加える必要があった。しかし、巡回性を許すことで、モデル選択のステップを経由するのではなく、大まかに言えば、推定の問題として因果探索の問題を扱えるようにすることができた。これは、未観測共通原因がない場合の代表的な因果探索アルゴリズムの一つであるLiNGAMアルゴリズム(Shimizu et al. 2006)の長所を受け継いでいる。因果関係を表す因果グラフの情報を一つの係数行列に押し込むことができた。現在、プログラミング実装が進行中である。言語はPythonで、申請者のWebページで公開の準備を進めている。来年度に完成後は、実データへ適用し、有用性の検証を行いたい。
2: おおむね順調に進展している
モデルについては、順調に進んでいるが、実装もそれに合わせて進めたい。
実装をさらに進め、領域のデータに適用する。
コンピュータの購入を次年度に伸ばしたため
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Journal of Machine Learning Research
巻: 18 ページ: 1-49
Behaviormetrika
巻: 44 ページ: 491~512
https://doi.org/10.1007/s41237-017-0022-z
n Proc. 25 th European Symposium on Artificial Neural Networks, Computational Intelligence and Machine Learning (ESANN2017),
巻: 1 ページ: 347,352
Proc. 2017 IEEE Machine Learning for Signal Processing Workshop (MLSP2017)
巻: 1 ページ: 1,6
https://sites.google.com/site/sshimizu06/indexj