研究課題
複雑現象解明のための線形・非線形回帰モデリング,大規模・高次元データの次元圧縮と視覚化,識別・判別,パターン認識などの新たな解析手法の開発研究と関連するモデルの評価・選択法に関して理論的・実際的な側面から研究に取り組み,平成30年度は以下のような成果を挙げた.また,本年度は,本研究課題の最終年度に当たるため,これまでの研究成果の取りまとめと新たな課題策定を行った.1.正準相関分析,正準対応分析は,2組の確率変数ベクトル間の関連性の程度を基準とする解析手法で,前者は,工学,自然言語処理等において,後者は,生態学,水質科学,社会学など幅広い分野で現象解明のための有用な手法として用いられている.近年,極めて次元の高いデータや複雑な非線形構造を内包する多次元データが取得され,正準相関分析の新たな推定法や非線形化の研究が必要となってきた.正準対応分析については,誤差を内包する観測度数データ行列に対して推測論の研究の必要性を認識した.これらの問題に対処するための研究に取り組み,従来手法の限界を克服するスパース正準相関,非線形構造を内包する多次元データの分析に有効に機能するカーネル非線形正準相関について確率構造を導入し,実際上有用な解析手法の提案を目指して研究を行った.正準対応分析に関しては,解析的・代数的操作をアルゴリズム化する計算法であるブートストラップ法を適用して,新たな次元圧縮法を提案した.2.昨年度までの研究実績を踏まえ,現象過程や動作過程の連続的な実験・計測データ,高頻度時系列データなど,離散時点で経時的に観測・測定されたベクトルデータを関数化処理して,関数化したデータ集合を対象とした解析手法の研究を行った.本年度は,特に,関数化データ集合に基づくクラスタリング,関数主成分分析と部分空間法を融合した識別・判別問題について研究し,現象分析に有効な手法を提案した.
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
Behaviormetrika
巻: 46 ページ: 163-175
10.1007/s41237-018-0066-8
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巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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Communications in Statistics - Theory and Methods
Journal of Agricultural, Biological and Environmental Statistics
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