コンピュータの性能向上の最大の源泉は、長年LSIにおけるトランジスタの縮小に起因するゲート遅延の短縮法則、すなわち、デナード・スケーリングであった。しかし、このトレンドはLSI製造技術の限界により2005年に終わった。一方、LSI製造の縮小トレンドは続いたが、電力が冷却の限界に達し、トランジスタを有効に利用することが困難となった。これらの理由により、コンピュータの単一スレッド実行性能はほとんど向上しなくなった。これに対して、本研究は、電力を増加させることなく性能を向上させる構成法を提案した。本技術は、実際のプロセッサに即座に適用できるほど実用的であり、学術的のみならず社会的意義が大きい。
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