研究実績の概要 |
本年度は,配置配線問題を深層学習で処理できるように問題を定式化する研究,配置配線問題を深層学習するための学習データ自動生成方法の研究,専用計算エンジンの研究の3つを行った. 配置配線問題を深層学習で処理できるように問題を定式化する研究では,アプリケーション回路のネットリストをすべての論理素子間の接続関係を表現する隣接行列を用いて定式化する方法,ネットリストのI/Oに対する各論理素子の距離で各論理素子の関係を定式化する方法,および,各論理素子の接続関係を有限長のリストで表現することで弱い接続関係を切り捨てた表現で定式化する方法の3つの考案し,それぞれの有効性を検証した.その結果,各論理素子の接続関係を有限長のリストで表現することで弱い接続関係を切り捨てた表現で定式化する方法が最も良い効果的に定式化できることが分かった[1]. 学習データ自動生成方法の研究では,自己組織化マップ(SOM)を用いて配置配線を行う方法,および,SA法を用いた方法を試みた.その結果,SOMを用いた方法とSA法を用いた方法ではそれぞれ性質の異なる配置配線結果が得られることが分かった. 最後に,専用計算エンジンの研究では,深層学習の事前学習で持ちいる制限付きボルツマンマシンのCベース設計を用いたFPGA実装を試みた.しかし,実装を行ったFPGAボードが古い世代のFPGAボードであったので性能評価に至らなかった. [1] 田中智大, 谷川一哉, 弘中哲夫, 石黒隆 “細粒度再構成可能デバイスMPLDのIOを考慮したSOMベース配置手法, " リコンフィギャラブルシステム研究会, 信学技報, vol. 116, no. 210, pp.29-34, 2016年9月5日.
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