研究課題
今年度は,LEDを用いた盗撮防止システムの実用化のために,システムの仕様を改良した.申請時にはLEDから出力される信号をスマホに組み込まれたアプリでキャッチして機能の制限を実現する仕様であった.しかしながら,協力業者との議論により,初めはより普及しやすい仕様にした技術を提供するほうが,盗撮防止の重要性を世間に分かったもらえるだろうと考えLED照明の周波数を変更することにより,ノイズをスマホに出現させる技術の開発を行った.これは,CMOSイメージセンサの特性で出現するフリッカノイズを利用したものであり,スマホにアプリ等を仕込まなくとも盗撮防止を実現することが可能である.これにより被写体を縞模様で隠蔽することが可能となり,盗撮の制限を実現する.また,フリッカの維持の周波数を途中で変更することでデジタルデータを表現して時間や場所等の情報を撮影動画に入れ込むことも可能となる.実装では単純LED照明ではなく,より使いやすくした導光板を用意して,様々な角度からノイズが出現するかどうかの確認を行った.実験環境はDMXプロトコルを使用した照明環境であり,導光板を9枚用意して,周波数と照度を変更させて検証を行った.この際,トイレや更衣室をイメージして角度,距離明るさのパラメータを変更させた.今年度開発した研究成果は,関西の組込み展示会 (ETWest)と関東の組込み展示会 (ET)にて発表を行った.
2: おおむね順調に進展している
企業と連携して研究的な観点からだけでなく商業化する上での注意点を盛り込んで進めているため.
導光板を用いてフリッカ周波数を変更する実験設備を構築する.現在は数個の導光板を用いているだけなので壁に埋め込める形に変更してより自然な内装照明とする.また視覚に与える影響を入念に調べていないためその定性的評価を行う.現在は盗撮防止にのみ使用する方向で考えているが,より適用の幅を広げるためにその他の応用へも研究を広げる予定である.
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Journal of Signal Processing
巻: 22 ページ: pp. 25-45
IEICE Transactions on Information & Systems
巻: E100-D ページ: pp. 2327-2338