研究課題/領域番号 |
16K00089
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
片下 敏宏 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ナノエレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (90500215)
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研究分担者 |
小池 帆平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ナノエレクトロニクス研究部門, グループ長 (00215146)
日置 雅和 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ナノエレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (40371067)
堀 洋平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ナノエレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (60530368)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | FPGA / 電力評価 / 評価プラットフォーム / 回路実装 |
研究実績の概要 |
平成28年度の実施計画は1.FlexPowerFPGA用の実装環境構築,2.電力測定専用ボードの設計開発であった. 1.においては,(1)回路合成環境の部品となる既存ツールの呼び出し機構を開発し,回路合成フローを処理するツールのプロトタイプ構築を行った.また,(2)回路合成プロトタイプツールを利用し,UART通信回路やDES暗号回路などの合成が可能であり,AISTino環境上で動作できることを確認した.さらに,(3)実機評価環境として,AISTinoボードの改修検討のためのプロタイプボードの開発・製造を行い.基本的な回路による動作試験を実施した.このプロトタイプボードの回路実装評価や消費電力測定を通じて,応用回路の実装・動作を検証するボードの開発には,通信,コンフィギュレーション,電源生成部分において,研究当初の想定から大幅に改修すべき点があることが分かった.改修点を本年度開発のプロトタイプボードに適用し,その動作や効果を確認するには予想より長い期間がかかると考えられ,AISTinoボードの改良版開発は,当初予定の平成29年度から平成30年度にずれ込むことが想定される. 2.においては,(1)AISTinoボードを利用して電力測定環境のプロトタイプを構築して予備実験を実施したのち,産業技術総合研究所にて開発した評価ボードを利用して,FlexPowerFPGAの電力計測ポイントを備えた消費電力の測定環境を構築した.さらに,(2)入力クロックの周波数や電源電圧を変化させながら,FlexPowerFPGAへ搭載した回路の動作を評価する機構を加え,デバイスの応用回路の動作,最大動作周波数のほか,消費電力の計測が可能な評価プラットフォームを構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
応用回路の実装においては,合成ツールのプロトタイプ開発からFlexPowerFPGAへ回路を実装するまで計画通り進めることができた.応用回路の実装・動作評価するプロトタイプボードの開発より,既開発のAISTinoボードを大幅に改修する必要があることが分かった.これは研究当初の予定より大きな変更であることから,次年度のボード開発の期間に影響すると考えられる. デバイスの消費電力の評価においては,次年度予定であった測定ソフトウェアの開発や,回路動作・動作周波数の検証機能の追加まで進めることができ,計画を前倒しして実施することができた. 以上の理由より,当初の計画以上に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
1.本年度開発した消費電力評価プラットフォームの改良を行うほか,様々な回路を実装して動作・速度・消費電力の評価を行う. 2.実利用システムに向けたハードウェアの設計では,既存のAISTinoボードからの改良点として主に通信・コンフィギュレーション・電源部分について本年度開発のプロトタイプボードを用いた実験を行い,改良案の動作や効果の検証を行う. また,本年度開発した回路合成ツールのプロトタイプの改修を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
回路実装のプロトタイプボードの費用が当初予定より多く要したことから,次年度以降のボード開発に残り予算を利用することとしたため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年もしくは平成30年度に開発するAISTino改良ボードの開発・製造費の一部に利用する.
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