本研究は、並行ソフトウェアを実行時に正確かつ高速に検査する方式の実現を目的とする。ソフトウェアの実行時検査とは、ソフトウェアの実行状態を観測して得られるデータからバグや脆弱性を検出する技術であり、ソフトウェアの信頼性やセキュリティの向上に役立つ。しかし,従来の実行時検査は並行ソフトウェアに対しバグや脆弱性を正確かつ高速に検査できないという問題点があった。本研究はこの問題を解決することを目指し、主な研究成果として(1)並行処理の複雑属性を正確に捕捉するメタデータ表現と(2)並行処理の複雑属性表現上での高効率な競合検査と(3)多様な並行処理モデルを対象とする正確かつ高効率な並行バグ検査を実現した。
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