研究課題/領域番号 |
16K00096
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
馬谷 誠二 京都大学, 情報学研究科, 助教 (40378831)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | プログラミング言語 / セキュリティ / アクセス制御論理 / オブジェクト指向言語 |
研究実績の概要 |
アクセス制御の実現に必要となる単純な仕組みをプログラミング言語の言語機能として組み込むことで,開発者自身が各システムやアプリケーションに適したアクセス制御のロジックをプログラム中に記述できるような言語の設計を行った. 具体的には,Javaの実行モデルに対しアクセス制御機能を追加した拡張オブジェクト指向言語を提案した. オブジェクト指向言語の基本的な実行の仕組みとアクセス制御のための仕組みを結びつけることで,「システムが資源へのアクセスを正しく制御する」ことを,外部サービスやブラックボックス化された専用の機構に依存せず,「基本的な言語機能が正しく実装されている」ことだけに依存し保証できることが,提案言語の特徴である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アクセス制御論理をベースとするプログラミング言語の核となる言語機能の設計とプロトタイプ実装をほぼ完成させている. また,実応用アプリケーションや,アクセス制御に関するOSレベルの現実的サポート状況についてもサーベイを行い,提案する言語機能を用いることで,それらのアプリケーションの簡潔化・堅牢化・モジュール化が可能かどうかについての検討も同時に進めている.
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今後の研究の推進方策 |
提案する言語機能のうち,とくにメソッド呼出しに関するリフレクション機能のより堅牢かつ効率の良い実装方法について検討を行いたい. また,アプリケーションコード中でのアクセス制御に関する部分をより宣言的に記述するための言語拡張なども予定している. 特に後者の言語機能の拡張にあたっては,関連分野で広く適用されている各種の静的検査・解析手法と組み合わせることで,堅牢かつ実行効率の良い機能を実現したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
基金であるため,今回のような少額(1万円以下)は繰り越しても支し障えないと確認済みです.
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次年度使用額の使用計画 |
少額であるため,次年度計画に変更ありません.
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