• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

生体データと作業履歴に着目したプログラム理解過程の分析

研究課題

研究課題/領域番号 16K00114
研究機関奈良工業高等専門学校

研究代表者

上野 秀剛  奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (70550094)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードプログラム理解 / ヒューマンファクター / 生体計測 / 脳活動 / 脳波 / 視線
研究実績の概要

去年度から開発を進めていた実験用システムの実装が完了した.視線計測装置が出力するデータと,脳波計測装置が出力するデータ,及び被験者に提示する実験ツールに対する操作履歴を統合し,同期した状態で分析が可能な環境を構築した.
構築したシステムの動作を確認すると共に,次年度に実施を予定している視線と脳波の同時計測実験の条件設定を精査するために,予備実験を行った.予備実験では16人の被験者に16種類のソースコードと問題文を提示し,プログラム内容の理解とバグの有無の判断するタスクを課した.予備実験の結果,作成した実験環境に不具合があることが判明したため修正し,再実験で問題が無いことが確認できた.
また,予備実験で得られたデータを分析した結果,プログラム内容の理解と,バグの有無の判断それぞれにおいて,達成できたときとできなかったときで異なる脳波指標に有意な差が生じることがわかった.加えて,作成した実験環境を用いてプログラムの実装戦略を推定する被験者の脳波を計測する実験を行った.時系列分析の結果,実装戦略が推定できた被験者のタスク中,タスク後脳波に特徴があることが明らかになった.
これらの成果はプログラム開発時に発生するプログラム理解,バグ検出,実装方針の決定という異なる作業について,脳波を計測することでその成否が外部から計測できる可能性を示している.今後,これらの脳波の差が現れている時に見ているソースコードの要素を視線計測を用いて明らかにすることで,プログラミング作業における開発者の内的な活動についてより詳細な理解が得られると考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時に提出した研究実施計画で予定していた作業をすべて期間内に実施・完了し,
作成した実験環境を用いて複数の実験を実施することができた.

今後の研究の推進方策

本年度までに開発した実験用システムを用いた実験を行う.これまでの研究で実施した,プログラム理解の過程に連動して視線移動や脳血流が特徴的に現れることが分かっているタスクを用いて,複数の計測データの関連と特徴の差異について分析する.
それぞれの計測装置から得られるデータの特徴について差異を明らかにした後に,それらを統合した分析を行う.これまでの研究から,それぞれの計測装置で得られるデータについて欠点がいくつか明らかになっている.本研究では,複数のデータを統合・分析することで,個々の計測装置のみでは困難であったプログラム理解を構成する小タスクについて弁別し,タスクの種類ごとに活動する脳機能の違いやタスク間の類似性を分析する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] プログラミング・エクスペリエンスの新潮流 -言語設計から産業応用まで-:7.生体情報を用いたプログラミング活動の測定2017

    • 著者名/発表者名
      上野 秀剛
    • 雑誌名

      情報処理

      巻: 58 ページ: 1024 - 1025

  • [学会発表] 生体データと作業履歴に着目したプログラム理解過程の分析2018

    • 著者名/発表者名
      石田 豊実, 上野 秀剛
    • 学会等名
      第23回電子情報通信学会関西支部学生会予稿集
  • [学会発表] プログラムの実装戦略推定時における脳波の時系列分析2017

    • 著者名/発表者名
      山本 愛子, 上野 秀剛
    • 学会等名
      ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2017

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi