研究課題/領域番号 |
16K00117
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
董 冕雄 室蘭工業大学, 工学研究科, 准教授 (20728274)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | モバイルネットワーク / Stability |
研究実績の概要 |
29年度は、モバイルネットワークにおけるStability、すなわち、モバイル・デバイスのJoin/Leaveによるネットワーク安定性の問題に取り組んだ。都市耐災害ネットワークの末端ノードが人間(モバイル・デバイス)である故、ノードのJoin/Leaveはネットワーク全体の安定性に影響を及ぼす。人間のモビリティが予めわかれば、上述の問題を動的なトポロジーの変更で対応できる。既存研究から震災後のモビリティ・モデルは、実は普段の生活パターンと関連性があることが分かっており、本研究ではその特性を利用した。特に、オープンデータを用いて、都市の人々のモビリティ・モデルの特徴を抽出することで動的なトポロジーに対応できるアルゴリズムを設計した。得られた研究成果の一部は、国際会議および国際的な学術論文誌にて発表を行い、The 11th International Conference on Frontier of Computer Science and Technology (FCST-2017)にて発表した論文は、最優秀論文賞を受賞した。また、研究内容が評価され、2017年度船井情報科学振興財団研究奨励賞、2017年のIEEE SCSTC Outstanding Young Researcher Awardに続き、IEEE ComSocが選ぶアジア太平洋地域の35歳以下の情報関係分野の研究者のうち、最も優れた業績を評価された研究者に贈られる賞IEEE ComSoc Asia-Pacific Young Researcher Awardを受賞されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度は、主に、モバイルネットワークにおけるStabilityに関するアルゴリズムの考案、モビリティモデルの確立、提案アルゴリズム検証のための数値解析およびシミュレーションの実装を行うこととなっていたが、当初の予定通りこれらの計画を順調に実施できた。研究成果の一部は、IEEE Global Communications Conference (Globecom2017)やIEEE International Conference on Communications (ICC2017)といったIEEE Communications Society最大規模の国際会議を含む会議で論文として発表(確定)した。また、無線通信分野においてImpact Factorが世界最高クラスとなっているIEEE Internet of Things JournalやIEEE Networkを含む学術論文誌でも論文が掲載(確定)された。以上のことから、当該年度の研究課題進度は、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
30年度はScalability、すなわち、D2Dネットワークのスケール性について研究する。情報伝達性を保った上で、最小D2Dノード数を決めるのは、ネットワークのStabilityに役立つのみでなく、Sustainabilityにもつながる。本研究は確率論のアプローチで最適なノード数を算出する。当該年度はプロジェクトの集大成であり、往年度の研究成果をまとめ、領域内最難関のIEEE/ACM Transactions on NetworkingやIEEE Transactions on Mobile Computingなどへの投稿を目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進展に伴い、当初予期し得なかった新たな知見が得られ、これを使用してより高度な研究成果を得るために、新たな知見の分析を行う研究計画に変更が必要となった。よって当初予定していた実機による検証実験は翌年に持ち越しとなった。また、得られた研究成果をいち早く社会へ発表するため、論文投稿や国際会議参加のための費用に主に充填された。 次年度は、実機実験を行うため、実験用のデバイスの購入および実験へ参加する学生への謝金が計上される。また、実験によって得られた成果をまとめて論文にし、国際会議や学術論文誌への投稿も検討する。
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