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2017 年度 実施状況報告書

BLEとエナジーハーベストセンサを用いた行動認識システムの開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K00126
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

藤本 まなと  奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (80758516)

研究分担者 安本 慶一  奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (40273396)
荒川 豊  奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (30424203)
諏訪 博彦  奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (70447580)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード領域判定 / 機械学習 / RSSI / BLE
研究実績の概要

平成29年度は,平成28年度に行なった《課題 1》BLE 信号の計測による個人識別・領域判定メカニズムの構築を土台とし,《課題 2》無電環境センサ群による領域移動軌跡抽出方式,および《課題 3》複数人の行動ログの切り分けメカニズムについて検討し,特に以下の4点について検討した.
1) 《課題 1》BLE 信号の計測による個人識別・領域判定メカニズムの構築において,個人識別および領域判定の実験を行い,有効性を明らかにしてきた.しかしながら,BLEスキャナの設置位置の違いにより,領域判定の精度が低下するといった問題があることがわかった.そのため,この問題を解決するため,機械学習を適用することによって領域判定の精度を向上させるための手法を新たに考案した.
2) 領域判定の精度を向上させるには,特徴量として用いるBLE信号の受信信号強度値(RSSI)の情報が重要となる.しかしながら,BLE信号は微弱な電波なため,比較的データの欠損が起こりやすい.つまり,単純に各BLEスキャナで受信したRSSIのデータをそのまま特徴量として用いて領域判定を行なった場合,判定精度の低下につながるおそれがある.そのため,この問題を解決するためのデータ処理手法をあらたに考案した.
3) 複数人の行動ログを切り分けるため,3人の被験者による評価実験を奈良県生駒市にある老人ホームの協力のもと行なった.Leave-One-Person-Out Cross-Validationを用いて評価した結果,平均F値:80.6%の精度で領域判定できることを確認し,本手法の有効性を明らかにした.
4) 無電環境センサ群による領域移動軌跡抽出方式について検討を開始していたが,1)と2)の手法を考案したことにより,BLE信号のみの情報で十分に判定精度が出ていることを確認した.そのため,無電環境センサ群を用いるかどうかは今後の課題とする.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度の予定では,《課題 2》無電環境センサ群による領域移動軌跡抽出方式および《課題 3》複数人の行動ログの切り分けメカニズムを組み合わせることで,領域判定の精度の向上を狙っていたが,機械学習とデータ処理を適応することによって,無電環境センサ群を利用しなくても80.6%の精度で認識できたことは,今年度予定していた成果のプラスアルファであると考えられる.そのため,無電環境センサ群をどのように利用するかによって,さらなる精度向上が期待できると考えられるため,今後の検討課題とする.以上の理由から,おおむね順調に進展していると考えられる.これらの成果は,国際会議等で発表し,高い評価を得ている.

今後の研究の推進方策

平成 30 年度は,引き続き,領域判定精度の向上を目指していく予定としている.また,BLE情報と領域情報を組み合わせて,「誰が,何をしているのか」などの情報も認識する手法も検討する予定である.さらには,《課題 1》BLE 信号の計測による個人識別・領域判定メカニズムの構築,《課題 2》無電環境センサ群による領域移動軌跡抽出方式,《課題 3》複数人の行動ログの切り分けメカニズムを発展的に利用し,《課題 4》行動パターンの抽出とモデル化と《課題 5》BLE スキャナを含む環境センサの最小化について検討を開始する予定としている.例えば,《課題 4》行動パターンの抽出とモデル化においては,実験を繰り返し行うことにより,各居住者の行動パターンを,機械学習・統計的学習を用いて抽出し,モデル化を行うことを想定している.《課題 5》BLE スキャナを含む環境センサの最小化に関しては,環境センサが最小化された上でも,行動認識の精度を低下させることのないメカニズムを考案することを想定している.

次年度使用額が生じた理由

(理由)センサデータ蓄積・解析用データベースサーバ等を購入する予定であったが,ノートPCをサーバの代わりに利用することで購入の必要が無くなったため.
(使用計画)実験データ解析のためのデータベースサーバの購入や旅費に使用する予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] センサ装着杖を介した歩行動作検出手法の提案2018

    • 著者名/発表者名
      高橋雄太,音田恭宏,藤本まなと,荒川豊
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS)

      巻: vol. 8, no. 2 ページ: 43-55

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Implementation and Evaluation of Analog-PIR-sensor-based Activity Recognition2017

    • 著者名/発表者名
      Masashi Fujiwara, Yukitoshi Kashimoto, Manato Fujimoto, Hirohiko Suwa, Yutaka Arakawa, Keiichi Yasumoto
    • 雑誌名

      SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration

      巻: vol. 10, no. 4 ページ: 385-392

    • DOI

      https://doi.org/10.9746/jcmsi.10.385

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of Automatic Daily Report Generation System for Supporting Daily Works on Carers2018

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Morita, Kenta Taki, Manato Fujimoto, Hirohiko Suwa, Yutaka Arakawa, Keiichi Yasumoto
    • 学会等名
      Advanced Technologies for Smarter Assisted Living solutions: Towards an open Smart Home infrastructure (SmarterAAL’18)
    • 国際学会
  • [学会発表] ドップラーセンサを活用した宅内行動認識システムの開発と評価2018

    • 著者名/発表者名
      藤原聖司,藤本まなと,荒川豊,安本慶一
    • 学会等名
      社会システムと情報技術研究ウィーク(WSSIT18)
  • [学会発表] Smart Sensing for Automatic Care Report Generation in Day Care Center2017

    • 著者名/発表者名
      Manato Fujimoto
    • 学会等名
      International Workshop on Smart Info-Media System in Asia (SISA 2017)
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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