研究課題/領域番号 |
16K00128
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
木下 和彦 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (40304018)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 周波数割り当て / 異種無線 / バッファ制御 |
研究実績の概要 |
これまでのセンサネットワークやメッシュネットワークに加えて,M2M/IoTサービスやビッグデータの収集など,無線マルチホップネットワーク(WMHN:Wireless Multi-Hop Network)の適用領域が広がりつつある.それに伴って,同じ場所で複数のWMHNが構築されることが予想されるが,電波資源は有限であるため,その逼迫が問題となる.そこで本研究では,多種多様な機器・サービスが同時に稼働する空間において,複数のWMHNが相互に協調して動的に周波数を共用することで,それぞれのサービスに必要な品質の通信を提供するプラットフォームを確立する. 初年度である平成28年度においては,サービス毎に異なる要求品質を満足させる周波数割り当てパターンを導出するアルゴリズムについて検討し,周囲の通信状況を観測して自律的に送信チャネルを選択する基本方式を確立した.計算機シミュレーションによる基礎性能評価を行い,小規模な環境での有効性を示している. また,遅延要求が厳しいがパケットロスには寛容なマルチメディアトラヒックや,数分単位での遅延を許容する代わりに確実な送達を必要とするデータ収集トラヒックなどの多様なアプリケーションの混在を想定し,複数の通信品質を満足するバッファ制御方式を確立した.こちらも計算機シミュレーションによる基礎性能評価を行い,2種類の通信品質を要求に応じて向上させていることを確認した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,方式の基礎理論を確立した.特に大きな問題は発生しておらず,順調に進捗している.
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,初年度に確立した基本方式を拡張しながら,高性能な計算サーバと市販パッケージを用いたシミュレーションによって大規模な性能評価を行い,最終的には実機実験環境を構築して提案方式のフィージビリティを検証する.また,得られた成果を国内外の学会及び学術論文誌に順次発表して対外的にアピールすると共に,他の研究者からの意見を提案方式にフィードバックさせる.
|
次年度使用額が生じた理由 |
別用途で使用していた既存機器を使用できたため,計上していた開発用サーバの購入が不要となった.
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は上記の機器を使用できないため,改めてサーバを購入する.
|