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2016 年度 実施状況報告書

WebRTCを用いたブラウザ間構造化P2Pネットワークの開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K00135
研究機関大阪市立大学

研究代表者

安倍 広多  大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 教授 (40291603)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードブラウザ間構造化P2Pネットワーク / WebRTCによるP2Pネットワーク
研究実績の概要

2016年度は以下の研究・開発を行った.
(1)ブラウザ間P2Pネットワークにおけるノード間のコネクションを管理するためのライブラリWebRTC-Managerの設計とプロトタイプ実装を行った.提案方式ではP2Pネットワークにはブラウザノードに加えてNode.jsで動作するノード(シグナリングノード)が参加する.シグナリングノードは,WebSocketサーバとして動作することで,ブラウザノード間でWebRTCコネクション確立に必要なシグナリングトラフィックを中継する役割を担う.WebRTC-Managerでは,ブラウザ同士はWebRTCを用いたコネクションを用いるが,少なくとも片方がNode.jsで動作している場合はWebSocketを用いることで高速化を図っている.なお,上位層からはWebRTC/WebSocketの違いは隠蔽されるようにしている.
(2)P2Pネットワークに適した分散双方向連結リスト管理アルゴリズムであるDDLLをWebRTC向けに修正を行い,WebRTC-Manager上に実装した(DDLLwrtc).DDLLwrtcにより,ブラウザあるいはNode.js上で動作するノードが,キーの昇順にソートされた双方向リングに,リングの一貫性を保ちながら挿入・削除できる.
(3)代表者らが提案している構造化P2PネットワークSuzakuに対して多数のノードを短時間に挿入した場合でも検索性能がほとんど劣化しない改良を行い,IA研究会で発表した.また,SuzakuをWebRTC向けに修正し,WebRTC-Manager上でプロトタイプを実装した(Suzaku-wrtc).
作成したプログラムはNode.js,Google Chrome,Firefox上で動作することを確認している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

提案するブラウザ間P2Pネットワークの基礎となる,サーバを介さないブラウザ間WebRTCコネクションの確立,分散双方向リング,構造化P2Pネットワークについて,方式検討と基礎的な実装は完了し,主要なブラウザおよびNode.js上での動作を確認できた.
分散双方向リングおよび構造化P2Pネットワークにおけるノード障害時のトポロジ修復機能は未実装であるが,方式検討は進んでいる.ただし,構造化P2Pネットワークにおいて最大経路表サイズを固定する方式は未実装である.また,経路表の更新のためのシグナリングを検索トラフィックを用いて行うことについては検討が進んでいない.

今後の研究の推進方策

今年度は以下を行う.
・ノードが離脱・故障しても安定した動作を継続できるように,ノード障害時のトポロジ修復機能を実装する.また,Webブラウザ間ネットワーク上に分散ハッシュテーブル(DHT)を実装する.
・WebRTC-Manager,DDLLwrtcなどの実装の高品質化と評価を行う.
・アプリケーションとして,分散マイクロブログサービスの設計を行う.

次年度使用額が生じた理由

計画では基本的な開発は手持ちのMac環境で行い,動作確認のために通信用SIMカード,Android端末,Windows10端末を購入する予定であったが,基本的な実装に時間を要したため,AndroidやWindows10端末では手持ちの端末で基本的な動作確認を済ませるに留まった.このため,これらの購入を見送ったことが主な原因である.

次年度使用額の使用計画

今年度はこれらの機器を購入し,提案システムの評価に活用する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 高いChurn耐性と検索性能を持つキー順序保存型構造化オーバレイネットワークSuzakuの提案と評価2016

    • 著者名/発表者名
      安倍広多,寺西裕一
    • 雑誌名

      信学技報

      巻: 116 ページ: 11-16

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] ウェブブラウザ間P2Pネットワークのためのコネクション管理フレームワーク2016

    • 著者名/発表者名
      川井悠司,李佼柯,安倍広多
    • 雑誌名

      電子情報通信学会総合大会予稿集

      巻: B-7-11 ページ: 145

  • [雑誌論文] ウェブブラウザ間P2Pネットワークにおける双方向リング構築手法2016

    • 著者名/発表者名
      李佼柯,川井悠司,安倍広多
    • 雑誌名

      電子情報通信学会総合大会予稿集

      巻: B-7-12 ページ: 145

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公開日: 2018-01-16  

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