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2018 年度 実施状況報告書

WebRTCを用いたブラウザ間構造化P2Pネットワークの開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K00135
研究機関大阪市立大学

研究代表者

安倍 広多  大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (40291603)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード分散システム / P2Pネットワーク / 構造化P2Pネットワーク / WebRTC / Webシステム / マイクロブログ
研究実績の概要

2018年度は以下の研究・開発を行った.
(1) WebRTCでは,直接コネクションを確立できない場合,TURNサーバによる中継にフォールバックする.しかし,TURNサーバには負荷が集中するため,これを用いないことが望ましい.このため,本研究で開発しているコネクション管理フレームワークWebRTC-Managerにおいて,P2Pネットワークによる中継にフォールバックできる機構を設計,実装した.この際,耐障害性などを考慮して中継するノードの数を少なくし,また複数の中継経路を用意するようにしている.
(2) 本研究で開発しているブラウザ間構造化P2PネットワークKirinにおいて,集約機能付きのマルチキャスト機能を実装した.マルチキャスト先のノードからの応答メッセージを,マルチキャストツリーを逆方向に辿り,複数の応答メッセージをまとめながらマルチキャスト発信元まで戻すことができる.
(3) 後で述べるKizunaのために,ブラウザ間P2Pネットワーク上で動作する,分散ハッシュテーブル(DHT)を実装した.公開鍵暗号によって最初に書き込んだノード以外からのデータ書き換えを防止する機能を有する.
(4) WebRTC-ManagerとKirinを利用して,Webブラウザ上で動作する分散マイクロブログサービスKizunaを実装した.Kizunaの主な特徴は次の通り: (1)(STUNサーバ以外の)中央サーバなしに動作する.(2)Twitterのようにフォローやツイートが可能.(3)ツイートの配送にはアプリケーションレベルマルチキャストを用いることで,多数のフォロワーに効率的に配送する.(4)ツイートの偽造防止のために公開鍵暗号による電子署名を用いる.(5)ツイートの永続性のため,DHT上に保存する.また,Kizunaの実装を通じてフレームワークの問題点の洗い出しと改善を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度,研究代表者の多忙により,実装まではたどり着いても学会発表や論文化を十分行うことができなかったため.

今後の研究の推進方策

今後は以下の項目を行う.
・実ネットワークにおける性能測定を行う.
・未発表の研究成果について,学会発表及び論文化を行う.
・本研究で実装したソフトウェア(WebRTC-Manager,DDLLweb,Kirin,Kizuna)の品質を高め,オープンソースソフトウェアとして公開する.

次年度使用額が生じた理由

理由: 昨年度,研究代表者の多忙により,実装まではたどり着いても学会発表や論文化を十分行うことができなかった.
計画: 研究成果の対外発表および論文化を行う.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Suzaku: a Churn Resilient and Lookup-Efficient Key-Order Preserving Structured Overlay Network2019

    • 著者名/発表者名
      Kota Abe, Yuuichi Teranishi
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Communications

      巻: E102-B ページ: 未定

    • DOI

      10.1587/transcom.2018EBT0001

    • 査読あり
  • [学会発表] ブラウザ間構造化P2Pネットワークを用いたマイクロブログサービスの設計と実装2019

    • 著者名/発表者名
      田中凌, 安倍広多
    • 学会等名
      情報処理学会第81回全国大会
  • [学会発表] WebRTCを用いたブラウザ間構造化P2Pネットワークの実現2019

    • 著者名/発表者名
      安倍広多,寺西裕一
    • 学会等名
      第10回広域センサネットワークとオーバレイネットワークに関するワークショップ
  • [学会発表] 構造化オーバーレイネットワークSuzakuの性能について2019

    • 著者名/発表者名
      寺西裕一,安倍広多
    • 学会等名
      第10回広域センサネットワークとオーバレイネットワークに関するワークショップ

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公開日: 2019-12-27  

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