近年、センサネットワーク技術、IoT (Internet of Things) 技術の第一次産業への応用が注目されている。本研究課題では、養殖効率向上のために養殖魚に装着したセンサや水中ロボットで計測した水中環境情報を遠隔から収集するモニタリングシステムを対象として、新たなセンサ情報収集手法を開発することを目的としている。
本年度は、昨年度より検討してきた、通信媒体として可視光を用いる場合のさらなる検討と評価を行った。具体的には、魚に取り付けた端末に装着されたLEDから発光される光と水中に設置した全方位カメラを用いた情報収集手法を検討した。シミュレーション評価を行い、提案手法の基本特性を明らかにした。また、試作機の開発と簡易な実証実験を行った。さらに、得られた成果を論文誌IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineeringにて発表した。
研究期間全体としては、通信媒体として音波を用いる場合に端末から基地局へシングルホップでデータを収集する手法、他の端末を介してマルチホップでデータを収集する手法を検討した。また、通信媒体として可視光通信を用いる場合のデータ収集手法も検討した。いずれについても得られた成果を国内学術会議、国際学術会議および学術論文誌にて発表した。このように、養殖魚に装着したセンサや水中ロボットで計測した水中環境情報を遠隔から収集するモニタリングシステムのセンサ情報収集手法について様々な角度からの検討を行った。
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