研究実績の概要 |
本研究は,研究代表者が着想した「更新意図の外形的推測に基づくビューの更新可能性」に基づき,リレーショナルデータベース(RDB)のビュー更新可能性を理論的のみならずSQLを用いたRDBの現場でも極限にまで高めるための研究・開発を目的としている.初年度である平成28年度で次の研究・開発を行った. ●理論的研究(1):上記の理論は意味論が「集合ベース」のリレーショナルデータモデル(RDM)に基づいている.そこで,この結果が「マルチ集合ベース」の国際標準RDB言語SQLでも成立するか否かを検証した.そのために,RDMをマルチ集合ベースに拡張することを行い,基となる理論がマルチ集合ベースでも上位互換で成立することを示した.その結果を国内会議で報告している:増永良文,長田悠吾,石井達夫,バッグ意味論のもとでのビュー更新問題の検討―更新意図の外形的推測に基づくアプローチの適用可能性―,DEIM2017会議録,H3-5,2017年3月. ●理論的研究(2):「更新意図の外形的推測に基づくビューの更新可能性」の英文論文を作成し投稿し,国際会議で受理され発表した:Yoshifumi Masunaga, An Intention-based Approach to the Updatability of Views in Relational Databases, Proceedings of IMCOM2017, P5-8, Beppu, Japan, January 5-7, 2017. ●実践的研究:「更新意図の外形的推測に基づくビューの更新可能性」をオープンソースのリレーショナルDBMSとして著名なPostgreSQLで実装するための課題を研究協力者である長田悠吾,石井達夫,両氏と共に明らかにして,次年度の実装に備えた.
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