研究課題
本研究の目的は,コンテンツ指向ネットワークにおいて,スムーズなストリーミング再生を目的としたストリーミング配信技術を確立することである.平成30年度では,下記の研究内容(3).の検討・提案・評価を実施した.(3) 再生途切れ時間に関する状況に基づいた適応的キャッシング(In-network caching)方式:平成30年度は,交付申請書の研究実施計画の3つ目である経路制御方式の検討・提案・評価を実施する予定であったが,平成28年度と平成29年度の研究項目を実施してきた過程において,最短経路以外の経路を導入しても十分な効果が期待できないことが明らかになった.そこで,経路自体は変更せず,ユーザのストリーミング再生における再生途切れ時間の状況を把握し,その再生途切れ時間が増加傾向であれば,ストリーミングデータのチャンクを経路内の各ルータにキャッシュしやすくし,再生途切れ時間の短縮を実現する手法の検討・提案・評価を実施した.その結果,再生途切れ時間を短く抑えられるという結果が得られた.研究期間全体において,本研究では,コンテンツ指向ネットワーク上でスムーズなストリーミング再生を目的としたストリーミング配信技術を確立することを目指し,3つの研究項目を実施してきた.平成28年度では,ストリーミングデータの再生順序を考慮し,ストリーミングデータの先頭に近いチャンクほどユーザに近いルータに配置する方式,平成29年度では,コンテンツの人気度を考慮し,人気度が高いほど各ルータにキャッシュしやすくする方式,平成30年度では,ユーザのストリーミング再生における再生途切れ時間が増加傾向であれば,そのチャンクを各ルータにキャッシュしやすくする方式の提案・評価を実施した.これらの評価実験の結果より,再生途切れ時間を大幅に短縮することができ,研究期間全体において有用な結果を得ることができた.
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Proceedings of 2018 RISP International Workshop on Nonlinear Circuits, Communications and Signal Processing (NCSP 2019)
巻: vol.1 ページ: pp.331-334