研究課題/領域番号 |
16K00173
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
大野 暢亮 兵庫県立大学, シミュレーション学研究科, 教授 (50373238)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | In-Situ可視化 / ベクトル化 / Yin-Yang格子 / 粒子ベースボリュームレンダリング |
研究実績の概要 |
当該年度はYin-Yang格子版の等値面手法の高ベクトル化率達成に向けたアルゴリズム修正およびYin-Yang格子版・非構造格子版のライブラリ化に焦点をあてて研究開発を実施した。 Yin-Yang版のレイキャスティング法を用いたボリュームレンダリング手法を基に等値面表示機能をスカラ計算機向けのプログラムに実装し、ボリュームレンダリング手法のベクトル化を参考に高ベクトル化率に向けた修正をおこなった。地球シミュレータでベクトル化率を測定したところ、(データおよび可視化パラメータに依存するが)ボリュームレンダリング手法と同様に90%以上ベクトル化率を達成できた。さらにYin-Yang格子版に関しては、レイキャスティング手法を用いてスライス表示を行うスカラ計算機版のサブプログラムを作成した。非構造格子版の粒子ベースボリュームレンダリングプログラムについては、メルセンヌツイスター法を疑似乱数発生器として使用しているが、NECが地球シミュレータ用に提供するベクトル化に対応した疑似乱数発生関数を利用した場合の性能などを調査した。 その後、すでに開発済みのスカラ計算機用In-Situ可視化ツールVISMOを利用してデータの領域分割による並列化、矢印表示機能の実装、シミュレーションコードと結合しやすい形でのツール提供ができるようにライブラリ化するために、Yin-Yang格子版、非構造格子版ともにプログラムのソースコードをVISMOと同じ形式に修正に着手した。(VISMOとはカーテシアン座標用のIn-Situ可視化ツールで、ボリュームレンダリング、等値面、スライス、矢印表示、流線表示が可能で、MPIおよびOpenMPにより並列化されている。本ツールのソースコードを利用することで、開発期間を大幅に短縮できる。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
並列化、シミュレーションコードとの結合に向けたライブラリ化などを同時に進めたため、各サブプログラムなどを逐一開発する場合に比べて目に見える成果が少なく、遅れ気味な印象の結果になったが、大幅に遅れているわけではなく、少々の遅れはあるもののほぼ順調に研究は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定と順序が逆になるが、現在、プログラムの並列化・ライブラリ化を進めており、それが完成したのちベクトル化に向けたアルゴリズム修正を進める。さらに、実際にシミュレーションコードと結合し、ベクトル計算機によるIn-Situ可視化の実験を行う。実験により問題点を洗い出し、可能なものについては最終年度内に改善、その他は今後の課題とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)年度後半に、ライブラリ化、並列化を同時に着手したためプログラム開発が遅れ気味となり、年度初めに予定していた国際会議参加を控えた。その影響で旅費などに次年度使用額が生じた。
(使用計画)学会等に積極的に参加し、発表可能な部分は積極的に成果発表やシミュレーションコードとの結合に関し情報収集を行う。
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