研究課題/領域番号 |
16K00198
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
江村 恵太 国立研究開発法人情報通信研究機構, サイバーセキュリティ研究所セキュリティ基盤研究室, 主任研究員 (30597018)
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研究分担者 |
花岡 悟一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 研究グループ長 (30415731)
Attrapadun Nutt 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (40515300)
松田 隆宏 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 研究員 (60709492)
林 卓也 国立研究開発法人情報通信研究機構, サイバーセキュリティ研究所セキュリティ基盤研究室, 研究員 (70739995)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 鍵失効機能付きIDベース暗号 / 鍵失効機能付き属性ベース暗号 / 署名鍵有効期限付きグループ署名 |
研究実績の概要 |
本年度は, 逐次秘密鍵を更新/失効する仕組みを効率的に実現するため, まずは効率的な鍵失効機能付きIDベース暗号を構成した. 素数位数を持つ非対称双線型群上での構成, かつ復号鍵漏洩耐性を持ち, 公開パラメータ長がユーザ数に依存しないという点でこれまで提案された鍵失効機能付きIDベース暗号の中で最も効率的な方式である. 本成果をコンピュータセキュリティシンポジウム2016 (CSS2016) で発表するとともにプレプリントサーバにも展開, また国際会議CT-RSA2017で発表した. なお次年度の研究計画に挙げていたマスター鍵をも更新可能なIDベース/属性ベース暗号方式について, 本研究とは独立に以下で提案されたことが判明した.
Yutaka Kawai: Master key updatable attribute-based encryption on the dual pairing vector space. ISITA 2016: 226-230
そのため本研究の目的を修正する. まずIDベース暗号の上位概念である属性ベース暗号について鍵失効機能を付加する. さらに鍵漏洩問題を解決する新たな方策として鍵に有効期限を設定することで, 鍵漏洩の影響を有効期限内にのみ限定可能な方式の提案を進める. 前者について, 非常に広いクラスの属性ベース暗号方式に鍵失効機能を付加する一般的構成を提案し, 国内会議SCIS2017で発表した. 後者について, 署名鍵に有効期限を持たせることで効率的にユーザを削除可能なグループ署名について, 署名コストが失効時間の長さに非依存な方式を初めて構成し, 本成果を国内会議SCIS2017で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要にて述べた通り, 当初の計画目標 (平成29年度目標) であった方式が本年度, 本研究とは独立に提案されたため, 研究目標の修正を行った. しかしながら元々の計画通りに効率的な鍵失効機能付きIDベース暗号の提案を行い, 国際会議で発表したことや, 修正した研究計画についても鍵失効機能付き属性ベース暗号と署名鍵有効期限付きグループ署名を国内会議で発表したことから, おおむね順調に進展していると評価する.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の目標として, 本年度提案した署名鍵有効期限付きグループ署名および鍵失効機能付き属性ベース暗号について国際会議での発表を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた国際会議への参加が業務多忙のためかなわず, 残額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費として国際会議への参加費に充てる
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