断片的な感覚入力が刺激や知識などの要因で体制化され、背景から分離された図領域(物体)が形成されることは認識の基盤である。本研究はその基礎メカニズムと個人差について主に以下の知見を得た。 1.①特徴の類似性による視覚的群化、②文字、文字列、視覚単語のような学習に基づく物体、③主観的輪郭をともなう図領域の活性化、といった3つの知覚の体制化過程について、複数の処理段階を事象関連電位を用いて可視化し、そこへの注意の影響を同定した。 2.上記の検討において、健常者における自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)の症状の程度、および性差で異なる処理過程を見出した。
|