マンガの読み方には読み手の性格や認知傾向が反映するという仮説に基づき、マンガを読む際の個人差の様態を視線行動から明らかにすることを試みた。実験では、参加者に複数のマンガ作品を自由に読んでもらい、その際の視線行動を計測し、読み手の性格傾向や認知特性との関連を分析した。その結果、マンガを読む際の視線行動は個人差を測る指標として一定の信頼性を有すること、いくつかの眼球運動指標は性格傾向や認知スタイルとの間に有意な関連を示すことが示された。マンガを読む際の視線行動から読み手の個人差を推定することが可能であることが示唆された。
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