移動物体の速度,面の傾き,物体の重なり順序など,視覚は様々な処理をおこなっている.本研究では,これらの視覚機能はどのようにして実現されているのかを数式として表現し,表現した式をコンピュータシミュレーションを通じて視覚特性を予測することを目的としている. まず移動物体の速度知覚に関しては,工学的に知られているLucas-Kanade法を基盤とした視覚数理モデルを作成した.このモデルはヒトの錯視も予測できることを示した.面の傾き知覚についても同様に,数理モデルの構築とシミュレーションを行った.物体の重なり順序知覚については,電磁気学の記述や定理が利用できることを発見した.
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