研究課題/領域番号 |
16K00215
|
研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
高木 光太郎 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (30272488)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 法心理学 / 供述信用性評価 / 取調べ録画記録 / 非言語的情報 / スキーマ・アプローチ |
研究実績の概要 |
平成28年度は、まず供述信用性評価技法に関する内外の研究動向を確認する文献調査を行ったうえで、スキーマ・アプローチを用いた供述信用性評価事例の検討を行った。スキーマ・アプローチを用いた鑑定事例としては、研究代表者自身も実施に加わった再審請求事件での3件の鑑定事例に特に着目し、スキーマ・アプローチにおいて供述調書をデータとして用いる際の新たな分析手法(時系列マトリックスの利用)などについて、その特徴や課題を整理した。文献調査と事例検討の成果の一部は"Current progress of confession credibility assessment research in Japan"という題目で、平成28年7月に横浜で開催された、第31回国際心理学会議(ICP2016)におけるシンポジウム"Psychology and Law in Japan: From the Lab to Applied Knowledge in the Criminal Justice System "において報告された。 これらの検討をふまえて平成28年度はまた、取調べの録画記録から得られる非言語的な諸情報と供述の信用性の結びつきを明らかにするための基礎的な情報収集として、想起場面と想起を偽装する場面における相互行為の身体的側面の差異に注目する分析を実施するための準備を行った。まず分析のために必要となる身体的行為の解析に関する研究情報の収集のため、平成28年8月に米国フィラデルフィアで開催されたCognitive Science Socieyの年次大会に参加した。ここで得られた情報も考慮したうえで平成28年度後半は、データ収集場面の設計を行った。データ収集と分析の実施については平成29年2月より6ヶ月間育児休暇を取得したため、来年度に持ち越しとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」にも記載のとおり、平成29年2月より6か月間育児休暇を取得したため、予定していたデータ収集と分析を次年度に持ち越すこととした。このため平成28年度の研究計画に遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年8月に育児休暇から復帰するため、それ以降に平成28年度に予定されていたデータ収集、分析を急ぎすすめて完了させる。作業を効率化するため、データ収集・分析の補助者の雇用を増やし、平成29年度に予定されていた研究計画の実施に支障が生じないようにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成29年2月より育児休暇を取得したため、予定していたデータ収集・分析の実施を翌年度に持ち越した。このため必要な機材・人件費等を翌年度に使用するものとして持ち越した。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年8月に育児休暇から復帰するため、復帰後速やかに必要な機材等を購入し、9月中には補助者を雇用しデータ収集を実施する。
|