研究課題
人間は顕在的な社会認知機能に加え、潜在的な社会認知機能があるのではないかと考えられる。一般的に、一般的な潜在認知機能についてはこれまでも結果が報告されているが、社会認知機能の潜在的機能についてはこれまであまり検討されていない。そこで、本研究では、社会性の個人差を脳の構造的・機能的特徴から検討した上で、人間がもつ潜在的社会認知機能のメカニズムについて検討することを目的とした。本研究では、250名以上を対象にHuman connectome project準拠のプロトコールで撮像したマルチモダルMRI(T1、T2、field map、DWI、resting state fMRI、MEGA-PRESS MRS撮像)の統合的解析を行い、社会性の個人差について関連する脳の構造的、機能的ネットワークを調べた結果、社会的意思決定には自分を中心に考える人と相手を中心に考える人という判断基準に違いがあり、その個人差に応じた脳の構造的・機能的特徴があることが明らかになった。また、潜在的社会認知機能については、周辺に提示されている社会的刺激からの情報を潜在的に受けていることが明らかになった。また、さらに周辺に提示された社会的刺激は新規性の高いものよりも親近性の高いものの方が影響が強くなることが明らかになった。今後、判断基準の違いという社会性の個人差と潜在的社会認知機能の関連性について、詳細な検討をさらに進める予定である。
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Frontiers in Psychology
巻: 10 ページ: 608
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Scientific Reports
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http://www.tamagawa.ac.jp/teachers/matspsyc/index.html