研究課題/領域番号 |
16K00218
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
竹原 卓真 同志社大学, 心理学部, 教授 (10347742)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 3次元顔画像 / 表情認知 / 角度回転 / ネットワーク |
研究実績の概要 |
3年計画の本研究では、最初の1年弱の間に全体のベースと成る顔画像の撮影を行うことが主目的であった。計画通り、2016年度では50名程度から承諾を得て3次元カメラによる顔撮影(喜び、悲しみ、怒り、嫌悪、恐怖、驚きの基本6感情を表出する顔)を実施し、電子データとして保存した。また、30名程度を対象とした感情表出強度に関する評価実験を行い、感情表出強度の強い被撮影者から弱い被撮影者までを順位付けした。当初は感情表出強度の強い被撮影者の顔画像をできるだけ多く使用して3次元モーフィングソフトで合成しようと考えていたが、実際にその作業を行ってみたところ合成顔画像数が多くなればなるほど表出されている感情の強度が弱まることが判明した。モーフィングソフトを用いて平均顔を作る場合は顔の個性が相殺されてマイルドな平均的な顔になることはいくつかの研究に寄って明らかになっているものの、感情表出までもが減弱することは予想できなかった。そのため、感情表出強度の強い顔画像を2~4枚程度を合成し、これを数パターン実施することによって、複数枚の感情表出の平均顔を生成した。 研究実施計画では、2017年1月から実際の実験に移行する予定であったが、予測できなかった校務が連続し、実験開始が2017年4月にずれ込んだ。しかしながら、この後は被験者と成る学生が日常的に来学する時期と成るので、実験計画が変更になるほどの遅れではないことは事実であり、今後精力的に実験によるデータ収集に努める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、顔画像の撮影と3次元合成作業は2016年12月に終える予定であり、2017年1月から実際の実験を実施する予定であった。しかしながら、予想できなかった校務のため実験実施が2017年4月にずれこんだ。しかしながら、研究計画全体で用いるベース顔画像は既に収集できており、すぐに実験を開始できる状況であることから、遅れているというよりは、ほぼ順調に進展していると判断できる。ただし、研究協力者の1人であるOlivia Pavlov Garciaが学術界から引退したり、Jay Holdenが多忙のため会えなかったりした。2017年度はこれらの対策を図り、研究を順調に進展させたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、すぐに学生被験者を募り、2017年度の当初の予定どおり、正立正面と倒立正面の顔画像による表情認知ネットワークを構築する。特に研究計画を変更することは考えていない。
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次年度使用額が生じた理由 |
校務による多忙で海外出張と国内出張が計画通り実現できなかったこと、および研究協力者も多忙のため会えなかったことが主要因である。また、当初の計画では一対比較実験を2016年度中に行う予定であったが、新年度にずれ込んでおり、そこで支出する予定であった被験者謝礼金が未使用のまま残ったことも使用額に差が生じた原因となった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究の進捗状況は概ね良好であると判断できるが、2017年度は前年度の遅れを取り戻すために実験を早期に実施し、海外出張や国内出張も計画通り実施することとしている。
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