研究課題/領域番号 |
16K00218
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
竹原 卓真 同志社大学, 心理学部, 教授 (10347742)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 3次元顔画像 / 表情認知 / 角度回転 / ネットワーク |
研究実績の概要 |
2016から2018年度にわたる3年計画の本研究、2年目の2017年度は表情ネットワークを作成するための認知評価実験を実施する予定であったが、実現が難しい状況に陥ってしまった。そんな中でも、4月に国際学会で発表した研究においては、スペイン、ギリシア、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス各国の研究者から、感情表出に関する貴重な数多くのコメントをもらうことができた。また、彼らは非線形科学の研究者であったため、本研究における複雑ネットワークの観点からも有益なアドバイスや方法論を提供してくれた。また、8月に出席した非線形科学とカオス理論に関する国際学会においても、アメリカをはじめとしてカナダ、ヨーロッパ各国の著名な研究者とトークをする機会を得て、今後の研究に関する有力な情報を得ることができたことは大きな成果といえるだろう。加えて、研究協力者のシンシナティ大学のJay Holdenとも短時間ながら打ち合わせをする機会が得られた。 研究計画3年目の2018年度は倒立正面の顔画像を使った認知評価実験を速やかに行い、その後は上下左右の方向に角度回転させた顔画像を用いて、当初設定した実験を行う段階に進む予定である。5月から本実験を実施することを念頭におき、6月初旬から出来る限り多くの実験参加者を集め、可能な限り早期に遅れを取り戻すべく実験研究に多くの時間を割きたいところである。また、2017年度に海外で得た貴重な情報を最大限に活用し、得られたデータを解析して論文化を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初、2018年度は標準的な実験結果を手にしているはずであった。しかし、資格関係の予想外の校務が多量に存在し、実験まで手が回らないという想定外の事態となった。現状は明らかに遅れていると言わざるをえない。ここで、2018年度開始時点ではようやくその校務が一段落してきているので、今後はスピードアップして遅れを取り戻し、条件操作した実験を早期に実施し、当初の計画を誠実に着実に実行したい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、出来る限り早期に学生被験者を募り、遅れを取り戻すために、まずは倒立正面の顔画像による表情認知ネットワークを構築することから始める。それが終了ししだい、左右上下に角度回転させた顔画像による表情認知ネットワーク構築に歩を進めたい。現時点からでも遅れを取り戻すことは十分可能なので、特段、研究計画の変更は考えていない。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】想定外の校務による多忙で一度の国際学会発表出張と、一度の国際学会情報収集出張にしか研究費を使用することができなかったことが主要因である。当初支出予定であった被験者謝礼金が残ってしまっていることが大きな原因となっている。 【使用計画】研究の進捗状況は遅れていると言わざるをえないが、現時点では遅れを取り戻すには十分な時間がある。そこで、これまでの遅れを取り戻すべく、実験をスピードアップして実施し、海外出張や国内出張も計画通り実施することとしている。
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