研究課題/領域番号 |
16K00218
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
竹原 卓真 同志社大学, 心理学部, 教授 (10347742)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 3次元顔画像 / 表情認知 / 角度回転 / ネットワーク |
研究実績の概要 |
2016年度からの3年間にわたる本研究においては、2018年度が最終年度となり、研究の総仕上げを行う予定であった。しかしながら、2017年度に引き続き、多忙な校務のため研究実施が難しい状況に陥った。そのような状況下でもなんとか研究に対する関わりを持ち続けるため、2018年9月にイギリスでサバティカル中の日本人研究協力者と研究実施に関する検討を行い、今後の方向性の確認を行った。具体的には、早急に研究実施にこぎつけられるような体制の再検討と、研究と学務との業務配分是正であった。加えて、2019年3月末にポルトガルで開催された非線形科学の学会に参加して、最先端の研究報告にふれることができ、ここで得た貴重な情報を今後活用することを確認した。その際、ギリシア、ロシア、アメリカの知り合いの研究者たちとショートトークを行い、行うべき修正や研究計画等について意見を交わした。具体的には、研究計画自体は間違っていないこと、遅れを取り戻すために被験者数を少し減らしたほうが良いこと(減らしても結果には影響が出ないことが予測される)、などであった。 このようになかなか実験実施ができない中、研究計画について進捗したことがあった。それは、刺激顔画像の3次元合成作業の継続であった。2016年度末にこの作業を実施してストップしていたが、数名の顔画像を合成して表情刺激を作成する作業を少し継続して行った。そして複数名の学生被験者の協力のもと、表情表出強度を測定してもらい、一定レベルの強度であることを確認した。加えて、実際の実験に用いるために画像をトリミングしたり、サイズを揃えたりといった予備的な作業を行った。結果的に、実験で使用する表情刺激を揃えることができ、2019年度はすぐに実験を開始できる段階までたどり着けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の予定では、2018年度に研究が終了し、標準的な実験結果が得られ、学術論文執筆が進んでいるはずであった。しかし、2017年度がそうであったのと同様に、2018年度も学部教務関係の責任者で想定外の校務(国家資格にかかわる学部カリキュラム改編)に振り回される結果となり、実験刺激作成まではできたが、実験実施にこぎつけることはできなかった。現状は、情けないが、極めて研究が遅れていることを認めざるを得ない。2019年度はその業務から解放されたため、少しは研究を実施できる時間ができた。これまでの遅れを真摯に反省し、スピードアップして実験に取り掛かり、少しでも遅れを取り戻すべく研究を進行している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度からは多忙な学務・校務から解放されたこともあり、今後はできる限り早期に学生被験者を募って実験に取り掛かる予定としていた。また、それを受けて実際に倒立正面の顔画像提示による認知実験を4月から開始しており、ひとまず1種類の実験条件を完遂することを目指す。そして、その後においても着実に一つ一つの条件をこなし、今年度中にはすべての研究計画を終える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】前年度同様、所属大学の学部教務の責任者を担当したことによる、想定外の多忙な校務の影響が第一要因である。今年度は、学生被験者がほとんど確保できない時期に行った、唯一の国際学会出張と、一度の研究協力者との研究内容の検討出張にしか研究費を使用することができなかった。所属学部は弱小学部のため校務(教務)に対する負担が極めて大きく、ほとんど研究に割ける時間が取れなかった。 【使用計画】研究の進捗状況は極めて遅れていると言わざるをえない。しかし、2019年度へ研究期間を延長できたおかげで、現時点ではこれまで一切できなかった実験に取り掛かれている。一日も早く遅れを取り戻すべく、実験をスピードアップして実施し、論文化にこぎつけたい。
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