研究課題
今年度は研究の最終年度ということで,知的カメラ実現に向けた実用化の観点から研究を進めた.特に,昨年度の積み残し課題となっていたスマートフォンやタブレットPCに搭載されている各種センサーを利用する形の簡易的なカメラキャリブレーション法を検討し,加速度センサーとジャイロセンサーから得られるデータと,視点の異なる僅か2枚の画像だけでキャリブレーションを実現する手法を確立させた.この手法では,センサーからの生データにリアルタイムでカルマンフィルタを適用し,ノイズやドリフトを抑制した情報を得た上で処理を進めるため,画像を2枚しか使わない簡易な方法の割にはそれなりの精度でキャリブレーションすることができる.さらに,これまでの成果をとりまとめた形のアプリ開発に着手し,「対象物を2視点で撮影」→「カメラキャリブレーション」→「基準平面推定」→「各種3次元情報の推定」までの一連の動作をシステムに落とし込む作業を進めたが,残念ながら完成までには至らなかった.現時点ではカメラキャリブレーション後の基準平面推定部のUIを設計・検討している段階であるが,残った部分の開発については今後の取り組み課題としたい.全体を通して,誰もが手軽に使えるアプリの実現,までには至らなかったものの,アルゴリズムの確立,評価実験を通じた性能検証と妥当性の立証までは着実に実施することができ,知的カメラ実現のための基盤技術を固めるといった視点では,満足できる成果が得られたと評価している.
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Proc. SPIE 11049, International Workshop on Advanced Image Technology (IWAIT) 2019
巻: 1104929 ページ: -
10.1117/12.2521383
http://www.mips.cis.iwate-u.ac.jp/