研究課題/領域番号 |
16K00231
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
川本 一彦 千葉大学, 統合情報センター, 准教授 (30345376)
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研究分担者 |
岡本 一志 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (10615032)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 行動解析 / クリギング / 深層学習 |
研究実績の概要 |
本研究では,ビデオ映像を用いた集団行動解析のための時空間統計モデリング法を開発する.位置情報だけでなく属性情報も扱える統計モデルおよび推定法を開発し,行動解析に必要な人物間あるいは人物―環境間に内在する近接関係をデータに基づいて推定する方法を構築する.さらに,移動予測などへ応用し有用性を実証的に評価する.
1.クリギングとよばれる統計的空間予測・補間法を導入し,複数の人物移動軌跡の間にある空間相関を扱える空間統計モデルの提案およびそのプロトタイプを実装した.このモデルを人物移動予測タスクに応用し,実データを用いて検証した.検証では,予測性能の観点から性能評価し,数秒程度であれば十分に予測できることを示した. 2.1で構築した統計モデルをベースに,時空間相関をとらえるための統計モデルへと拡張した.空間相関だけを考慮するモデルに対して常に予測精度が向上するわけではなく,データ依存であることを実証的に示した.この結果は,時空間相関を適切に表現するためには,モデル選択の方法を導入する必要性があることを示している. 3.以上と平行して,人物移動データに行動属性を与えるために一人称行動認識システムを深層学習ベースで開発した.さらに深層学習では常に問題となる学習データ不足に対して,合成画像を学習用データとして用いる方法を考案した.我々が収集した20種類の一人称視点映像に対して,認識率の観点からその有効性を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
クリギングを用いた空間統計モデルおよび時空間統計モデルのプロトタイプシステムの実装および実データを用いた評価実験を達成している.同様に行動認識システムの実装および評価も計画通りに進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
前年度の成果より,モデル選択等の導入が必要であることが判明したため,これらをふまえて統計モデルを発展させる.さらに,人物移動を表現するモデルだけでなく,画像上の人物検出や行動認識といった観測過程の性能向上も必要であることから,深層学習等の成果も導入する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の使用額はおおむね計画通りであったが,論文掲載料や旅費等の概算と実費の差より,少額の未使用額が発生した.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は少額であり,物品費や旅費等へ計画通り使用する.
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