研究課題
基盤研究(C)
高臨場感立体音響の実現のために,少ないスピーカでも高精度で音場再現が可能な手法の検討を行った。精度向上のために,空間的に音源の間隔が離れている場合でも周囲の音源のインパルス応答からその間を補間する手法,指向性スピーカを用いる手法,複数の音源委よる音場を各音源に分離する方法を検討した。実験の結果,補間精度はおよそ4~9dB改善し,指向性スピーカによって少ないスピーカの場合でも音場の再現精度も向上した。複数の音源による音場の分離に関しては,理論的な最高値とほぼ同等の分離が確認できた。
音響工学
本研究の成果として疎なスピーカ配置(少ないスピーカ)でも高臨場は立体音響が実現できれば、家庭におけるスポーツ中継、離れて暮らす家族のコミュニケーション、音を含んだ観光地へのバーチャル旅行など、芸術文化など豊かな生活を実現するために高い臨場感が必要な幅広いサービスへの応用が考えられ、社会への普及が進む。また、今後の五感を含めた高臨場感通信・放送の実用化に向けた研究開発が盛んになると考えられる。