研究課題/領域番号 |
16K00250
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
伊東 晋 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 教授 (00147513)
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研究分担者 |
亀田 裕介 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 助教 (50711553)
松田 一朗 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 教授 (70287473)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 動画像符号化 / 動き推定 / 動き補償予測 / 動きベクトル / オプティカルフロー / 画素適応制御 |
研究実績の概要 |
動画像符号化方式は、放送、通信、ストレージなどの様々な分野の基盤技術であり、さらなる進化が求められている。そこで、圧縮率の高い次世代動画像符号化方式(Future Video Coding) の実現のための技術基盤を確立するため、画素毎の動き推定に基づく動き補償予測の研究を下記2項目について発展させた。 1.画素毎の動き補償予測と既存の枠組みの符号化器との統合。 2.動き不連続境界での画素毎の動き推定の精度向上。 本研究は動き補償予測に注目したものであるため、後段の予測・直交変換・エントロピー符号化との相性によって符号化特性が変化する。画素毎の動き推定による動き補償予測をマルチフレーム動き補償予測方式に統合し、統合前よりも符号化特性を向上させることが確認できた。また、カラー情報を用いることで、予測フレームと同一時刻の画素毎の動き推定が可能になり、より予測性能が向上することが確認できた。また、時空間予測に基づくマルチフレーム動き補償方式とコンテキスト適応多値算術符号化器と組み合わせることで、符号化特性が改善することを明らかにした。また、画素毎の動き推定は、被写体境界などの動きの不連続領域で推定精度が低下する問題があり、この領域での精度向上を図る方法を開発する必要がある。そこで、動きの空間的変動から適応的に推定方法を制御することで動き自体の推定精度低下を防ぐ手法を提案した。また、参照ピクチャリストを用いたブロック適応インター予測に、画素毎の動き推定に基づく動き補償を統合することで予測性能低下を防ぐことができることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は上述した2項目を実施する計画であり、おおむね順調に成果が得られている。また、次年度の計画も先行して実施し始めている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度以降の計画通り、これまで得られた成果をまとめつつ、計画3と4を実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画より設備備品が安く購入できたことと、会議参加費等が安く抑えられたため。
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次年度使用額の使用計画 |
使用額は少額であり、計画に合わせて消耗品や会議参加費等に使用する。
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