研究課題/領域番号 |
16K00253
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
藤吉 弘亘 中部大学, 工学部, 教授 (20333172)
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研究分担者 |
上瀧 剛 熊本大学, 大学院先導機構, 助教 (20582935)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 画像局所特徴量 / キーポイントマッチング / 下界計算 |
研究実績の概要 |
2画像間のキーポイントマッチングはコンピュータビジョンにおいて基本的かつ重要なタスクである.キーポイントマッチングを用いたアプリケーションでは,異なる視点で撮影された画像を対応付けなければならない.AffineSIFT (ASIFT)は,入力画像に対して複数のアフィン変換を施した視点合成(viewpoint synthesis)を生成してSIFT特徴量を記述する.入力画像をアフィン変換することで,強い視点変化が発生した画像に対しても精度を維持することができる.しかし,ASIFTは入力画像をオンライン処理でアフィン変換するため,計算コストが非常に高くなる問題がある.
本研究では特徴量記述子を線形フィルタの畳み込みに置き換え,線形フィルタ自身をアフィン変換したアフィン変換特徴量を提案する.提案手法では特徴量記述子を単純に線形フィルタに置き換えることができるためピクセルペアの輝度差で特徴量を記述する.アフィン変換特徴量は特徴量記述子である線形フィルタがアフィン変換可能となるため,入力画像のアフィン変換を必要としない.しかし,提案手法においても密にアフィン変換した数千枚のアフィン変換フィルタをキーポイントのパッチ画像に畳み込むため高い計算コストが必要となる.この問題を解決するために,膨大なフィルタを因子分解法により少数の主要なフィルタと重み係数の線形結合で近似する.さらに,提案手法ではアフィン変換特徴量を因子分解表現することで,特徴量間の距離計算を最小二乗法で置き換えることができる.そのため,対応点探索では特徴量間の距離値の下界を算出し,効率的なマッチングを実現した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案手法を従来法であるSIFT,ORB,ASIFT,AORBと比較したところ,射影変換のデータセットにおいて,提案手法はASIFTよりも性能が多少劣るが,AORBと同等の性能を達成してた.また,その他の見えの変化が生じるデータセットでも提案手法はSIFTやORBよりも性能が向上していることが確認した.
提案手法と従来手法のキーポイントマッチングに必要とする処理時間を比較したところ,提案手法はASIFTと比較して約4.2倍高速な処理が可能であることを確認した.また,提案手法は距離の下界値を用いて効率的に対応点探索することで,総当たり探索よりも約2.1倍の処理時間で対応点探索が可能である.
以上、概ね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
本研究では,下界値に基づいた対応点探索を用いたアフィン変換特徴量を提案した.提案手法では,特徴量記述しである膨大なアフィン変換フィルタを主要な固有フィルタと固有関数で近似することで,効率的な特徴量計算が可能となった.さらに,特徴量間の距離計算を最小二乗法の問題に帰着させることで,下界値を求めて効率的な対応点探索を実現した.今後は,ORB以外の特徴記述子への対応や,提案手法に適した特徴記述子の設計を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
国際会議での発表を次年度に変更したため、415,744円の繰越し金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年に開催される国際会議での発表を予定している。
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