研究課題/領域番号 |
16K00259
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
大町 方子 仙台高等専門学校, 専攻科, 教授 (90316448)
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研究分担者 |
大町 真一郎 東北大学, 工学研究科, 教授 (30250856)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | パターン認識 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は統計的パターン解析と構造的パターン解析を融合することで統計的にも構造的にも妥当な画像生成モデルを構築することである。画像の本質的な構造をとらえ、構造ごとに統計解析を行うことで本研究の目的は達成されると考えている。本年度は画像の本質的な構造をとらえる手法として、画素間の相関を考慮することで画像を意味のある領域に分割する手法を実験的に検証した。各画素をノード、画素間の相関をエッジとする完全木を考え、グラフカットの手法を応用することで画像を意味のある領域に分割する。これは一種のクラスタリングであるが、要素間の相関を用いて分類する点で一般的なクラスタリングとは異なる。手書き数字画像のデータベースを用いた実験により、手書きの特性を反映して画像の領域分割を実現することが可能であることを示した。また、この領域分割を活用して、分割された領域ごとに統計モデルを構築することで画像データを生成する手法を開発した。統計モデルとして混合ガウス分布を用い、同じく手書き数字画像のデータベースを用いることで視覚的に妥当な画像データを生成することが可能であることを示した。一方で、活字フォントを対象として、文字のストロークを骨格と対応付ける手法についても検討した。これは、画像として見た場合に画素よりも高いレベルであるストロークレベルでの構造解析を実現することを目的としたもので、将来的に画素レベルとストロークレベルの解析を融合することでより妥当な解析を実現するための基礎検討として位置づけられる。提案手法および検証結果を国内外の学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
統計的パターン解析と構造的パターン解析の融合の基礎となる、画像を意味のある領域に分割する手法を検討し、実際の画像データを用いて実験的に検証した。評価はまだ不十分なところがあるが、当初の目的をおおよそ達成できていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討結果をもとに、実験結果の詳細な解析を行うとともに、自動生成法の開発に本格的に着手する。また、手書き数字データに限らずさまざまな画像データを用いて検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究自体はほぼ順調に進んでいるが、データ収集を後回しにしたため、データ収集用の機器の購入やデータ整理用の謝金にかかる費用が少なくて済んだ。また、学会発表が当初の予定よりも少なかったため、旅費の支出も少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集用の機器の購入、データ整理用の謝金、研究成果発表用の旅費に次年度以降使用予定である。
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