研究課題/領域番号 |
16K00262
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 克美 東北大学, 教育情報学研究部, 准教授 (40611182)
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研究分担者 |
渡部 信一 東北大学, 教育情報学研究部, 教授 (50210969)
薄井 洋子 東北大学, 教育情報学研究部, 博士研究員 (50756046)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / ICT / 郷土芸能 |
研究実績の概要 |
平成の大合併、小中学校の統廃合により地域の郷土芸能はその存続が危ぶまれている。そこで、本研究では、複合現実とバーチャルリアリティによる郷土芸能支援コンテンツを開発し、それを活用することでその継承を支援することを目的とする。そのために継承の支援を、学習者の上達、社会への発信、継承の記録、3つの視点から複合現実とバーチャルリアリティの活用を試みる。 28年度は、27年度より計測を行っていた芸能を対象に、練習用のバーチャルリアリティコンテンツの作製を行った。特に28年度は自分の舞踊を振り返るような没入型のバーチャルリアリティコンテンツと携帯端末で視聴可能な簡易的なバーチャルリアリティコンテンツ、また携帯端末で芸能のCGアニメーションの視聴が可能なアプリケーションの製作を行った。また、これらの活用に向けて芸能関係者らと打ち合わせを行いながら改良を加えていった。 さらには、社会への発信用として没入型のバーチャルリアリティコンテンツを新たに二つ、簡易的なバーチャルリアリティコンテンツを5つ製作し公開した。そして、活用に向けて、地域の芸能支援者、公開施設関係者らと打ち合わせを行い、これらのコンテンツの公開方法について検討を行った。 加えて、継承の記録のため、新たに宮城県の2つの芸能についてモーションキャプチャを行い、アーカイブを行った。そして、29年度からその活用を、学習者の上達、また社会への発信用として使う準備として、芸能関係者、支援者らとの打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究ではモーションキャプチャを行い芸能をVR化していくが、VR再生機器の納入が遅れたことにより、コンテンツ作製が予定より遅れた。また、モーションキャプチャの計測を予定していた芸能が継承者らの理由により計測時期が遅くなったことで若干予定が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
28年度同様、練習用のMR/VRコンテンツの作製を行う。自分の舞踊を振り返るようなMR/VRコンテンツを製作する。これらの使い方については各芸能の特性・事情もあるのでそれぞれにあったMR/VRコンテンツになるよう継承者・現地の研究協力者と連絡を密にとりながら製作にあたる。完成後は、このコンテンツを使った定期的な練習の機会を設け、技能の上達をはかる。 あわせて、社会への発信用のコンテンツも製作する。発信の場としては、地区の博物館等の公共施設での発信を中心に、インターネットを活用した発信を考えている。1つは、HMDを用いたVRによる芸能の表現、2つ目は博物館にある模型などに透過型HMDを用いて舞踊のアニメーションの重畳表示、3つ目はモバイル端末を使ったAR・VRによる表現を考えている。 さらに、芸能のアーカイブ化を合わせて行う。継承者らの意見を聞きながらどのような形で記録・保存するのか検討する。そこから継承者は何を伝えたいのか、郷土芸能の継承とは何かについて考察する。また将来の継承者らが活用できるようデータを保存する。筆者らと継承者らの試み自体も映像やテキスト化し記録する。
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次年度使用額が生じた理由 |
機器の納入が遅れたため、謝金の支出がなかった。またWEBページの納入が29年度にずれ込むこととなった。
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次年度使用額の使用計画 |
専用のホームページを立ち上げるため、その製作費用、維持のための人件費、サーバー代にあてる。また、コンテンツ作製を進めるため、その謝金の支出を行う予定である。
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備考 |
東北大学リベラルアーツサロン 2016年10月 郷土芸能をデジタルで伝える 講演(仙台メディアテーク) ハレとケ展 2017年3月 ICTを用いた郷土芸能支援の可能性 招待講演(仙台メディアテーク)
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