研究課題/領域番号 |
16K00267
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
橋本 直己 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70345354)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 動的プロジェクションマッピング / IRカメラ / 実時間追跡 |
研究実績の概要 |
今年度は、IRカメラから得られた2次元画像から、対象物体の3次元位置姿勢を初期推定する検出部と、IRカメラから実時間で入力される2次元画像を元に、対象物体の位置姿勢を実時間追跡する追跡部の開発を行った。
検出部は、ランダムフォレストを拡張した機械学習手法を提案し、学習データをCGモデルから自動生成し、特徴量を効率的に記述する手法を導入した。これにより、動的プロジェクションマッピングの初期位置として十分な検出精度を実現した。 また、追跡部においては、2次元のIR画像と、リファレンスとなる3Dモデルをマッチングさせる技術を開発し、これをGPUを用いて高速に実装することで、60fps以上の高い応答性を実現した。追跡精度は、一般的な深度センサを用いた場合に匹敵しており、さらにフレーム更新速度が向上したことから、投影遅延に対応するための予測処理が、より正確に適用可能になった。
マネキンを用いた投影システムを構築し、従来の深度センサベースのシステムと、定量的な比較実験を行った。また、同時に光学式モーションキャプチャを用いて、3次元位置姿勢の真値計測を行い、比較対象とした。その結果、深度センサベースの手法に比べて投影ずれが大幅に改善され、目に見えて、動く実物体への追従性が向上した。また、普段評価に用いているマネキン以外にも対象物体を追加し、他の形状に対しても、同様の投影精度の実現が可能であることを実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していたシステム構築がほぼ完了し、予定していた性能を実現することができたため。それに加えて、次年度の改良方針を定めるための予備実験を行い、改善の目処を立てるところまで実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
動き予測をより広い範囲に適用させることで、追跡部の精度向上を目指す。また、深度センサに比べて、潜在的に奥行き方向の精度が低い問題があるため、併せて改善を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費に関して、学内のサポートが得られたため予定以下の支出となった。また、評価実験にかかるコストが見積もりよりも低く抑えられたため、謝金の支払いが予定以下となった。
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次年度使用額の使用計画 |
より多くの対象に効果があることを示すために、実験環境および対象の拡充を行う予定である。
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