今年度は研究の最終年度にあたり,これまで実現してきたシステムの高精度化に力を入れて実施した。まず輪郭に基づく3次元位置姿勢技術に関しては、実際に手で触れて動かしてもロバストに追跡可能となるように、アルゴリズムの改善に注力した。結果、実際に手で持った状態でのロバスト性が大幅に向上し、学会でのデモ展示の幾何においても好評価を得ることができた。定量評価を進めることもでき、従来手法と遜色ない精度を達成したことを明らかにした。
また、剛体以外への取り組みとしては、実際の衣服を用いたプロジェクションマッピングを実現した。衣服には多数配置した不可視マーカを用い、これを高速認識及び追跡することで、着衣状態で変形する衣服へのプロジェクションマッピングを実現した。特に、体自体での遮蔽への体制を高めることで、より実用性の高いシステムを実現することができた。
その他、映像投映技術に関しては、プロジェクションマッピングを場所を問わずに実現可能にするための広域投映技術の最終的なとりまとめを行い、可搬性を高め、実際に複数の場所に移動してのデモ展示が可能なまでに完成度を高めることができた。通常のカメラと魚眼レンズを組み合わせる計測手法も安定度を増すことができ、実際の舞台空間の演出に応用できるまでになった。室内壁面への映像投映時の色補正能力を高めることにも成功し、少ない繰返し回数での色補正や、非業対面における色補正などを実現することができた。
|