研究課題
近年の映像提示技術の飛躍的進歩に伴い、4Kや8Kと呼ばれる超高精細な大型映像が一般家庭や社会生活の中の様々な場面で利用されつつある。その様な映像を見た時に、平面の画面に映った対象物に立体感を覚えることが多い。そこで、本研究では、我々が立体映像の場合の測定実験用に開発した眼の生理的反応を調べる方法を応用し、更に、主観評価や映像酔いとの関係も調べることにより、立体感覚獲得のメカニズムを明らかにすることが目的の基礎研究である。その成果は、4Kや8Kといった超高精細テレビの普及に向けて、生体影響が少なく安全で安心な映像技術の開発に役立てられることが期待できる。これまでに、平面映像を見る場合と立体映像を見る場合の、一般的な眼の生理的反応の違いの研究からわかってきたことは、得られる立体感覚は映像を見る人の脳内で作り出されるのではないかと推測されること、また、安全で安心な超高精細映像の視聴を行うためには、映し出される映像の画質とそれを映し出すディスプレイの画面解像度の関係が重要である、ということである。特に、後者については、研究の最終年度に実施した解析結果によると、高解像度の画面で低画質の映像を見たときに、高年層の視聴者では「目がぼやける」などの目の焦点に関する問題が生じやすいのに対して、若中年層の視聴者では目の焦点に関する問題だけでなく、「気分が悪い」や「頭が重い」などの全身症状を引き起こしやすいことがわかった。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Proceedings of the 15th International Conference on Computer Science and Education (ICCSE2020) (IEEE Xplore Digital Library)
巻: N/A ページ: 96-100
10.1109/ICCSE49874.2020.9201877