研究課題
工学製品の設計に有益な設計情報は,大域設計情報と局所設計情報に分類される.大域設計情報は経験知を明文化するため,物理的解釈が容易であるが革新はない.革新設計に至る仮説は局所設計情報に含まれる可能性があるが,機械学習的に得られた局所設計情報の物理的解釈は困難である.そこで本研究では,大域設計情報と局所設計情報の間の潜在構造を階層表現の概念に基づき可視化し,局所設計情報への物理的解釈を援助する方法を研究した.特に,設計者に必要不可欠な,設計要求を最適にする情報を網羅的に構造可視化する方法を構築した.この結果,これまで大域的/局所的な設計情報を独立に抽出していたが,実問題の最適化によって得られたデータベースに適用することで,これらを網羅的に構造的に抽出・構造化することに成功した.これにより,俯瞰的に問題の相関関係を把握することができ,着目すべき設計変数(説明変数)が一目瞭然となるため,当初予定していた設計問題の数理モデル化につながることになった.さらに次の研究課題が明らかとなった.すなわち,適用する問題によって,目的関数(設計要求)と設計変数との相関関係の強弱が異なるため,本研究で提案した方法論の汎用性を追究するためには,この相関関係の閾値をどこまで追求するかがボトルネックになる.閾値を上げると得られる設計情報の数が少なくなり,下げると膨大になる.相関関係は解析しなければ判らず,いかに閾値を自動的に設定するかが汎用的な方法論とするための次の課題である.
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進化計算学会論文誌
巻: 8 ページ: 75~87
10.11394/tjpnsec.8.75
http://www.di.mi.uec.ac.jp/chiba/publication.html