研究課題/領域番号 |
16K00310
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
岩田 員典 愛知大学, 経営学部, 教授 (80367606)
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研究分担者 |
伊藤 暢浩 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (40314075)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エージェント / 災害救助シミュレーション / 開発フレームワーク / 地図分析 |
研究実績の概要 |
RoboCup Rescue Simulation で災害救助エージェントの開発にかかる負担を軽減するために,フレームワークの提案を行った.このフレームワークを利用することで研究者はエージェントのプログラムを全て記述する必要はなくなる.そのため,研究者が実験したり注視したいアルゴリズムのみを実装することで,そのアルゴリズムの評価や検証が行えるようになった.これにより災害救助シミュレーションにおけるエージェントの開発が促進されることが期待できるようになった.また,そのフレームワークを利用して構築したプログラムを自動で数多く実行するための仕組みも構築した.この仕組みを利用することでさまざまなシミュレーションの条件を組み合わせてアルゴリズムの評価を容易に行えることができる.そしてこのフレームワークを RoboCup 2017 Nagoya の世界大会などで利用してもらった. また上記の研究と並行して,分析対象とする地図を用意するために,OpenStreetMap から RoboCup Rescue Simulation で利用できる形式に変換できるようにした.ただし,この変換ソフトウェアにはまだ不十分な点があり,全自動ではないため改善をする必要がある. さらには,災害救助シミュレーションにおける一般の方々の理解も深められるように,これらシミュレーションの状況を分かりやすく表示するための仕組みについても検討を進めていく.そうすることで災害救助シミュレーションを通じて災害に対する意識を高めることも可能になると考えている.また,表示システムに地図の分析結果なども適用できるようにしていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地図を分析するには,その対象を増やす必要がある.そこで自由に使える OpenStreetMap からの変換ソフトウェアを実装することで対象を増やすことが可能になった.また,その地図を使って災害救助シミュレーションを実施することも同時に望まれる.そのため,さまざまなアルゴリズムを用意するためのフレームワークとシミュレーション回数を数多くこなすための基盤整備を実施した.
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今後の研究の推進方策 |
分析を進めていく上でシミュレーション結果の総数が不足していることが判明している. そのため,昨年度までに実現したフレームワークと地図の変換ソフトウェアを活用して,シミュレーション結果の蓄積を目差す.そして,そのシミュレーション結果を利用して,地図の分析結果と災害救助シミュレーションの関連を調べる.
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次年度使用額が生じた理由 |
例年海外で開催されている RoboCup が,国内での開催だったため旅費が大幅に節約できたため. また,その分を物品費に回すことでシミュレーション用機器の購入ができた. 次年度は RoboCup が海外で開催のため余剰分はその旅費や参加費に充てる予定である.
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