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2016 年度 実施状況報告書

画像解析と人間の常識知識に基づく画像認識システム

研究課題

研究課題/領域番号 16K00311
研究機関同志社大学

研究代表者

渡部 広一  同志社大学, 理工学部, 教授 (90201251)

研究分担者 芋野 美紗子  大同大学, 情報学部, 講師 (20735138)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード画像概念 / 進化的計算法
研究実績の概要

画像認識に関する従来の研究成果に加えて,我々がこれまで言語処理の分野で研究してきた言葉の連想技術や常識的判断システムを応用し,画像解析と人間の常識知識に基づく画像認識システムの開発を目的として,本年度の研究実績は下記の通りである.
1.一般画像認識において,SIFTとBoVWを用いた一枚の画像の特徴量表現は,画像を概念,VWを属性とみなせば,言語の概念ベースにおける一つの概念定義と同様である.したがって,言語処理分野で既に実績のある言葉の連想を可能とする言語の概念ベース構築手法を参考に画像の概念化を行った.この際必要となる大量の画像データは,一般に公開されている画像データセットを利用した.なお,実際の画像概念ベースは平成29年度以降に撮影する画像データを加えて構築する予定である.
2.拡張進化的計算法による学習方式の開発に向けて,多段階GAとマルチスピーシーズGAによる高性能学習手法を検討した.ただし,多段階GAについては,アルゴリズムをプログラム化し,関数最適化問題と形状設計問題での効果は確認したが,マルチスピーシーズGAについては,プログラム開発が完了しなかったため効果については未確認であり,拡張進化的計算法による学習方式は開発の検討中である.
3.学習方法の参考技術のディープラーニングについて,畳込みニューラルネットワークを用いた画像分割による複数物体の同時認識の研究を行い,一部のディープラーニングの能力や問題点について確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

進化的計算法による高性能学習手法の検討では,多段階GAとマルチスピーシーズGAを組合わせて検討する予定であったが,マルチスピーシーズGAのプログラム化を完了できなかったため十分な検討ができていない.

今後の研究の推進方策

平成29年度は,ほぼ当初の予定通り以下の2点について研究を推進する.
1.画像概念ベースの構築
平成28年度に作成した画像の概念化アルゴリズムを用いて,画像概念ベースを構築する.画像概念ベースの構築には,一般公開の画像データセットと,必要なら,新たに収集・撮影した様々な環境下における種々の画像データを用いる.言語における概念ベースと同様に,画像概念ベースにおいてもtf・idfなどの技術により重み付けを行い,雑音の影響を排除する.しかし,これらの重み付けだけでは雑音の影響を完全に排除することは難しく,一度構築した概念ベースを再度精錬する必要がある.特に,国語辞書というある程度の品質が確保されたデータにより構築する言語の概念ベースに比べ,撮影環境や撮影対象などの影響を大きく受ける画像データを基に構築する画像概念ベースにおいては,この精錬作業は非常に重要な作業になる.この精錬作業にもこれまで培ってきた言語における精錬技術を応用する.
2.画像間の関連性算出プログラムの構築
言語における概念ベースを利用した単語間の関連性を数値として算出するアルゴリズムを応用し,画像概念ベースを利用した画像間の関連性算出プログラムを作成する.ただし,概念(画像)と属性(VW)は異なるため,基本的には,記事間関連度算出手法と同様の手法をそのまま適応することができるため,比較的容易にプログラムを構築することができる.
加えて,平成28年度に引き続いて,進化的計算法による高性能学習手法の検討を行う.

次年度使用額が生じた理由

既存の画像データのみでは不足が予想されるため,様々な環境下で種々の物体が写った画像データを取得する予定であったが,本年度中には,既存の画像データのみで実験可能であったため画像収集のための謝金が不要となった.また,本研究に関連する学会・国際会議等の一部が来年度開催予定となり,また,今年度開催された一部の学会参加のための旅費が他の研究費で賄えたため,当初予定していた旅費の一部が不要となった.

次年度使用額の使用計画

新たな画像収集の必要が生じれば,画像収集のための謝金として使用する.また,本研究に関連する学会・国際会議等参加のための旅費として使用する.

  • 研究成果

    (23件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (20件)

  • [雑誌論文] Generic Object Recognition using Bag-of-Features and Image Concept-Base2016

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Watabe, Misako Imono, Eriko Yoshimura, Seiji Tsuchiya
    • 雑誌名

      Proc. of the 2016 International Conference on Artificial Intelligence (ICAI2016)

      巻: - ページ: 465-466

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] News Selection Method Considering the User’s Interests for an Intelligent Conversation System2016

    • 著者名/発表者名
      Eriko Yoshimura, Misako Imono, Seiji Tsuchiya, Hirokazu Watabe
    • 雑誌名

      Proc. of the 2016 International Conference on Artificial Intelligence (ICAI2016)

      巻: - ページ: 168-173

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Judging Emotion from EEGs Using SVM and Principal Component Analysis2016

    • 著者名/発表者名
      Seiji Tsuchiya, Mayo Morimoto, Misako Imono, Hirokazu Watabe
    • 雑誌名

      Proc. of the 2016 International Conference on Artificial Intelligence (ICAI2016)

      巻: - ページ: 467-468

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Wikipediaを用いた概念ベースへの新概念追加手法2017

    • 著者名/発表者名
      芋野美紗子, 土屋誠司, 渡部広一
    • 学会等名
      言語処理学会第23回年次大会
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県・つくば市)
    • 年月日
      2017-03-14 – 2017-03-16
  • [学会発表] シソーラスノードへの自動割り付けを用いたニュース記事の表形式要約手法2017

    • 著者名/発表者名
      中西隆博,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      情報処理学会-知能システム研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 否定表現「ない」を考慮した文間関連度計算方式2017

    • 著者名/発表者名
      谷裕一朗,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      情報処理学会-知能システム研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] x-means法による雑音処理を有した脳波感情判断システムの構築2017

    • 著者名/発表者名
      杉本聖弥,森本麻代,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      情報処理学会-知能システム研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 関連度計算方式を用いたロボットの台詞に対応する動作の生成2017

    • 著者名/発表者名
      小野彰利,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      情報処理学会-知能システム研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] ロボット会話への利用を想定した観光地推薦システムの構築2017

    • 著者名/発表者名
      久保田賢人,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      電子情報通信学会-人工知能と知識処理研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 意図を理解した検索システムの構築2017

    • 著者名/発表者名
      八尾学人,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      電子情報通信学会-人工知能と知識処理研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 複合語を考慮した難解な語句を平易な表現へ変換する手法2017

    • 著者名/発表者名
      財満利希,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      電子情報通信学会-人工知能と知識処理研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 料理概念ベースによる栄養バランスを考慮した献立推薦手法2017

    • 著者名/発表者名
      岡田篤典,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      電子情報通信学会-人工知能と知識処理研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 概念ベースとWikipediaを用いた英字略語の意味推定2017

    • 著者名/発表者名
      後藤和人,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      電子情報通信学会-人工知能と知識処理研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 会話ロボットのための人間の発話特性を考慮した音声合成2017

    • 著者名/発表者名
      平井秀人,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      電子情報通信学会-人工知能と知識処理研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 語概念連想による目的地判断を取り入れた自律移動ロボット2017

    • 著者名/発表者名
      打井裕基一,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      電子情報通信学会-人工知能と知識処理研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 脳波特徴量概念ベースを用いた脳波感情判断手法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      森本麻代,杉本聖弥,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      電子情報通信学会-人工知能と知識処理研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-03 – 2017-03-04
  • [学会発表] 畳込みニューラルネットワークを用いた画像分割による複数物体認識2017

    • 著者名/発表者名
      髙岡賢人,土屋誠司,渡部広一
    • 学会等名
      人工知能学会-知識ベースシステム研究会
    • 発表場所
      ルスツリゾート(北海道・留寿都村)
    • 年月日
      2017-03-02 – 2017-03-02
  • [学会発表] Twitterとテレビ視聴履歴を用いた個人への時事情報推薦システムの構築2016

    • 著者名/発表者名
      世良拓也, 吉村枝里子, 土屋誠司, 渡部広一
    • 学会等名
      第15回情報科学技術フォーラム(FIT2016)
    • 発表場所
      富山大学(富山県・富山市)
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-09
  • [学会発表] Wikipediaの記事構造とリンク構造を用いた複数語からの連想手法2016

    • 著者名/発表者名
      長尾和明, 吉村枝里子, 土屋誠司, 渡部広一
    • 学会等名
      第15回情報科学技術フォーラム(FIT2016)
    • 発表場所
      富山大学(富山県・富山市)
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-09
  • [学会発表] Wikipedia記事の文章群を用いた多義を有する英字略語の意味判断システム2016

    • 著者名/発表者名
      後藤大介, 後藤和人, 土屋誠司, 渡部広一
    • 学会等名
      第15回情報科学技術フォーラム(FIT2016)
    • 発表場所
      富山大学(富山県・富山市)
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-09
  • [学会発表] 構造化された概念ベースの特徴を利用した関連度計算方式2016

    • 著者名/発表者名
      岸本達也, 三品賢一, 土屋誠司, 渡部広一
    • 学会等名
      第15回情報科学技術フォーラム(FIT2016)
    • 発表場所
      富山大学(富山県・富山市)
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-09
  • [学会発表] ニュース記事の見出しを用いた自然な話題提供手法2016

    • 著者名/発表者名
      北川智裕, 吉村枝里子, 土屋誠司, 渡部広一
    • 学会等名
      第15回情報科学技術フォーラム(FIT2016)
    • 発表場所
      富山大学(富山県・富山市)
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-09
  • [学会発表] 入れ子構造による文章の意味理解手法の提案2016

    • 著者名/発表者名
      小谷涼, 吉村枝里子, 土屋誠司, 渡部広一
    • 学会等名
      第15回情報科学技術フォーラム(FIT2016)
    • 発表場所
      富山大学(富山県・富山市)
    • 年月日
      2016-09-07 – 2016-09-09

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公開日: 2018-01-16  

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