• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

画像解析と人間の常識知識に基づく画像認識システム

研究課題

研究課題/領域番号 16K00311
研究機関同志社大学

研究代表者

渡部 広一  同志社大学, 理工学部, 教授 (90201251)

研究分担者 芋野 美紗子  大同大学, 情報学部, 講師 (20735138)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2022-03-31
キーワードCNN / 物体認識 / イラスト画像
研究実績の概要

人間は自分の周りの世界を目で見て瞬時に理解することができるが,ロボットにはいまだ困難である.本研究は,人間と同様の視覚機能をロボットに持たせることを狙いとし,本年度は以下のような研究実績をあげた.
本研究では一般物体認識を扱う.また,現在では畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた一般物体認識が主流となっており,本稿でもCNNを用いて一般物体認識を行う.実物体画像を学習した学習モデルを用いて実画像を物体認識すると認識精度は83.4%となる.しかし,周囲の環境には実物体以外にイラストや絵画としての物体が存在しており,実物体画像を学習した学習モデルでイラスト画像の物体認識を行なった際,精度は約65.6%となり精度が低くなってしまう.そのためイラスト画像を認識するためにはイラスト画像を学習すれば認識率は上がるがイラスト画像には著作権などの問題があり,大量に学習画像を集めることは容易ではない.
そこで本研究では,実画像に輪郭処理,減色処理を行ったイラスト化画像がインターネット上にあるイラスト画像の認識に有効であるかの検証を行った.検証の結果,イラスト化画像を学習することでイラスト画像の認識率は向上したため有効であると言える.また,イラスト化画像は減色率などのパラメータを変更することでより大量の学習データを作成することができる点においても有効ではないかと考えられる.しかし,画像加工を行う際に,学習や認識におけるノイズが発生する可能性があるので,より適切な画像加工方法を調査する必要があると考えられる.未学習物体クラスについても出力結果に閾値を設けることで未学習物体クラスであると出力することが可能となった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

構築した画像概念ベースならびに画像概念間の関連性算出プログラムを利用した画像認識システムを構築したが充分な精度は達成できておらず,通常の物体に加えて,イラストなどの認識を可能とする拡張を行っている段階である.また,上記システムに拡張進化的計算法による学習方式,および,常識的判断システムを加えることで,より人間の視覚機能に近い画像認識システムを構築する予定であったが,その段階にはまだ至っていない.

今後の研究の推進方策

構築した画像概念ベースならびに画像概念間の関連性算出プログラムを利用した画像認識システムにおいて,画像概念ベースの精錬等を行うことで,より人間の視覚機能に近い画像認識システムの構築を目指す.

次年度使用額が生じた理由

本研究に関連する学会等の一部が開催中止やリモート開催となり,旅費などの当初予定していた費用の一部が不要となった.
(使用計画)
本研究に関連する学会・国際会議参加のための費用等として使用する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Generic Object Recognition using Both Illustration Images and Real Object Images by CNN2021

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Watabe, Misako Imono, Seiji Tsuchiya
    • 雑誌名

      Advances in Artificial Intelligence and Applied Cognitive Computing, Proceedings from ICAI'20 and ACC'20, Springer

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Judging Emotion from EEGs using Pseudo Data2021

    • 著者名/発表者名
      Seiji Tsuchiya, Misako Imono, Hirokazu Watabe
    • 雑誌名

      Advances in Artificial Intelligence and Applied Cognitive Computing, Proceedings from ICAI'20 and ACC'20, Springer

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 雑談型対話システムにおける自己開示発話の割合増加手法の提案2020

    • 著者名/発表者名
      小山翔平, 土屋誠司, 渡部広一
    • 学会等名
      第19回情報科学技術フォーラムFIT2020

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi