研究課題
本研究では,実問題に応用可能な非線形力学系モデルを用いた最適化手法と機械学習の融合技術の開発を目的とした研究を実施している。本年度は,(1) 冗長経路の除去によるネットワーク経路選択問題の高速解法の提案,(2) SOM-NGを用いたパレート解可視化手法の解析,(3) 学習データの分布に基づいたラジアル基底関数ネットワーク学習法の提案,(4) SMOを用いた利己的経路選択問題の高速解法の提案,(5) カオス最適化手法の高速化とパラメータ調整則の最適化を行い,1件の査読付き論文発表,2件の査読付き国際会議での発表,9件の国内学会発表を行った。(1)では,ネットワーク経路選択問題における可変計量勾配射影力学系を計算モデルとする解法において,冗長となる経路をあらかじめ特定し削除する高速解法を提案した。(2)では,これまでに提案したSOM-NGを用いたパレート解の可視化手法について,その有用性を詳細に解析した。(3)では,ラジアル基底関数ネットワークについて,学習データの分布に基づいて基底関数の数と形状を自動的に調整する学習法を提案した。(4)では,問題クラスの類似性に着目して,サポートベクターマシンの高速学習法として知られるSMO (Sequential Minimal Optimization) を利己的経路選択問題に応用した高速解法を提案した。(5)では,数値微分によるカオス最適化手法の勾配計算をGPUを用いて並列化した手法の提案と,準カオス最適化手法のパラメータ調整則を遺伝的プログラミングを用いて進化させる手法を提案した。
2: おおむね順調に進展している
当初予定した研究計画にしたがって研究を遂行した結果,研究実績の概要でも説明したように,本研究課題の目的に大きく寄与する手法と解析結果を得るに至っている。本年度に得られた一部の成果は,学術論文誌に投稿を準備中である。したがって,おおむねに順調に進展していると評価できる。
本年度までは,当初予定した研究計画にしたがって研究が進んでいる。来年度も本年度に得られた成果をもとに,研究計画通りに研究を遂行する。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 2件)
SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration
巻: 9 ページ: 234-241
doi.org/10.9746/jcmsi.9.234