研究課題/領域番号 |
16K00330
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大森 敏明 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10391898)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 計算神経科学 / ベイズ推論 / データサイエンス / 高次元データ / 機械学習 / 時空間自己回帰モデル / 超解像 / 嗅覚情報 |
研究実績の概要 |
本研究では,神経生理学の知見に基づいたニューロンモデルと細胞外電場との相互作用を有する神経システムの数理モデルを構築し,神経システムと細胞外電場からなる動的システムにおける情報処理メカニズムに関する実証的理論を行う.
本研究課題の2年度にあたる平成29年度には,神経生理学の知見に基づいて,計測データから,神経ネットワークモデルの非線形ダイナミクスを推定するための統計的アルゴリズムを構築し,その有効性をシミュレーションデータにより示すことに成功した.個々の神経細胞のダイナミクスに関しては,複数の候補から本質的に内在する非線形ダイナミクスのみを抽出するアルゴリズムを構成した.加えて,神経イメージングデータからの情報抽出を実現するための方法として,動画像データからより高フレームレートの動画像を推定するためのアルゴリズムを提案し,その有効性を実データを用いた検証により示すとともに,静止画像の超解像のアルゴリズムの高速化手法の構築も進めた.また,生物系の研究者と共同で,嗅覚システムにおける神経ネットワークの数理モデル化に関する実証的理論研究を行い,ギャップジャンクションが持ちうる神経情報処理上の機能的意義を示す結果を得た.さらに,多次元時系列データから潜在ダイナミクスを推定するための方法として,状態空間モデルに基づく方法を構成し,その有効性を検証した.これらの研究成果は,関連する国内学会や国際会議にて口頭発表を実施するとともに,査読付きの英語論文として公表した.また,これらの成果は関連する研究者の注目を受け,依頼講演を受けた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,神経ネットワークのダイナミクスの取り扱いを進めることができているため.
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今後の研究の推進方策 |
興奮性結合と抑制性結合が混在した神経ネットワークの取り扱いを進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に,当初予定していた学会に参加するための旅費として使用する.
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