本研究では,神経生理学の知見に基づいたニューロンモデルと細胞外電場との相互作用を有する神経システムの数理モデルを構築し,神経システムと細胞外電場からなる動的システムにおける情報処理メカニズムに関する実証的理論を行った.特に,細胞外電場による非シナプス型の相互作用が神経回路網における情報処理に与える影響を,情報理論に基づく指標を用いて定量的に評価するとともに,計測データからの神経ダイナミクスの推定に基づいたフィードバック制御を実現するための数理基盤を構築した.更に,アリ嗅覚の数理モデリングを目的として,ギャップジャンクション型の結合を有する複数ケーブルからなる神経回路網の理論研究を推進した.
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