研究実績の概要 |
2016年度においてわれわれは10個のZigbee人感センサーからなるセンサーアレーを実験室の天井に設置し、さまざまな実験をした。実装しやすくするために、センサーアレーは(2, 3, 3, 2)のように、規則正しく配置した。最初の実験では、日常生活によく現れる(と思われる6つの)場所に、被験者に、読書などの軽い動作をするように指示し、データを記録した。記録した2値データから「活動強度」を求め、それを利用して被験者の位置を認識してみた。活動強度は、実際、1が出る確率の推定値である。ニューラルネットワーク、線形識別器、サポートベクトルマシンなどのモデルを使って認識してみた結果、どのモデルを利用しても9割くらいの認識率が得られた。そのうち、多出力階層型ニューラルネットワークの成績は、わずかながら良かった。 次の実験では、良く現れる場所と良く行われる動作を同時に認識してみた。同じく、活動強度を求め、それを機械学習モデルの入力とした。サポートベクトルマシンを使うと非常に良い結果が得られた。ただし、場所や動作の種類はまだ少ないので、今後、それを増やして追加実験をしてみたいと考えている。 また、現在使用しているZigbeeセンサーは、10秒で1個のデータしか出力しないので、実時間処理に適していない欠点がある。この欠点を克服するために、よりサンプリングレートの高いblue-tooth人感センサーを採用し、新しい実験ができるように準備してきた。2017年度において、新しい結果を報告できるようにしたい。
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