研究課題
本課題では、量子情報理論と量子バイオロジーに立脚した計算知能手法を確立し、これらの技法が優位に働くシステム応用を新しい工学体系として構築することが目標であった。最終年度においては、昨年度の課題として残っていた1.四元数表示拡張型量子ビットニューロンによる深層学習ネットワーク構築を引き続き検討するとともに、2.量子ダイナミクス手法による知的タスク処理システムの構築を行ってきた。1.に関しては、四元数表示のニューラルネットワークの性能をさらに明らかにし得てきたものの、量子ビット融合の多層ネットワークの性能向上の達成はできておらず、四元数表現の利点を生かした量子ビットニューラルネットワークの応用を探ることが課題として残す結果となった。2.に関しては、昨年度の試みをさらに発展させることができ、シュレディンガー方程式を基盤とする量子ダイナミクスに基づく群ロボットの搬送システム応用への性能評価などを多面的に行い得た。また、実際に簡易な搬送ロボットの作成も試み、運動制御における量子ダイナミクスの効果の実際上の問題点なども検討し得た。これらに関する研究成果の一部はいくつかの学会にて発表を行い得た。また、量子力学的手法の計算知能への適用がいかに効果的であるかを量子計算知能として普及させるべく研究活動を研究全期間中行なってきたが、これに関しては、機会を得て講演などで「量子計算知能」の研究紹介を数回行い得た。さらに計測自動制御学会のテクノロジーシリーズとして「量子力学的手法によるシステムと制御」を出版(2017/12)し得た。量子ビットニューラルネットワークの応用事例が近年文献上で多く見られ、引用度数も増加しているので、普及活動の目的も果たし得たものと考えている。
兵庫県立大学大学院工学研究科電子情報工学専攻知能数理計算科学研究グループホームページhttp://www.eng.u-hyogo.ac.jp/group/group48/
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